「西陣の2040年をともに描く!学生×地域による未来想像プログラム」を開催しました

2024.04.19

皆さんは2040年の未来を想像する機会はありますか?
数年先のことを想像することはあるかもしれませんが、2040年となるとなかなか考える機会がないのではないでしょうか。
町家 学びテラス・西陣」では昨年度に引き続き、自分自身や関わりのある人、企業、社会などの2040年を考える「町家オープンカレッジ・プラス」を開催しました。

開催概要

タイトル

「西陣の2040年をともに描く!学生×地域による未来想像プログラム」

開催日

  • 2024年1月10日(水)オリエンテーション
  • 2024年1月31日(水)リサーチとフィールドワーク
  • 2024年2月7日(水)未来シナリオデザイン
  • 2024年2月21日(水)プレゼンテーションと振り返り

コーディネーター

株式会社ツナグム タナカ ユウヤ氏

ファシリテーター

一般社団法人Deep Care Lab 田島 瑞希氏

参加者

本学学生8名、他大学学生3名

DAY1:オリエンテーション

初日は、プログラムの趣旨説明や参加者の方々による自己紹介からスタートしました。参加者は本学の学生を中心に他大学の学生も含めた11名。初めて西陣に来たという声もあれば、普段町家には来ているけれども地域についてはあまり知らないから西陣について知りたい、地域や自分の未来を考えることに興味があるなど参加理由はさまざまでした。
そんな参加者に向け、まずはプログラムのファシリテーターを担う「一般社団法人Deep Care Lab」の田島氏より未来想像をすることの大切さと、環境問題や社会変化との関わり、すでに起こっている未来への変化について、そして京都市役所の河北氏からは西陣の歴史や特色、現在の取り組みについてお話しいただきました。
それらを踏まえて二つのチームに分かれ、自分たちはどんな未来を想像していくのか?という問いから、一方は西陣における「マルシェ」、もう一方は「食・飲食店」の未来を想像することとなりました。
続いて、未来を考える上で必要である過去と現在を把握するための年表づくりを進めながら、DAY2までに行うリサーチや実際にまちに出向くフィールドワークの計画を立てていきました。どこにいくか、誰と会うかなども含めて自分たちでアポイントを取ることが必要となるため、この日だけで完了することはなく、DAY2に向けての宿題となりました。
左から、プログラム開始の様子、京都市役所河北氏からのインプット、年表づくりの様子

DAY2:リサーチとフィールドワーク

DAY2の前半は、各チームがアポイントをとった方への訪問、見学やヒアリング、そして実際に西陣のまちを歩いてみる時間でした。集合後に早速外に出るチームや、町家でのヒアリングに備えてお茶の準備をするチーム、それぞれが役割分担をして動いていました。アポイントの取り方も様々で、事前に手紙を送っていたり、SNSを駆使していたり、当日朝に約束を取り付けてきた学生もいたりと、チームや参加者それぞれの自主的な動きがとても頼もしく感じられました。
当日、学生たちのヒアリングやフィールドワークにご対応いただいた地域の方や企業の方々、ありがとうございました。受けていただいた方々からは、学生から様々な質問を受け、逆にいろいろと考える機会になり、自分たちも未来を考えないといけないと感じたなどの声をいただきました。
後半は、ヒアリングの結果を共有し、お互いのチームや参加者それぞれの動きは刺激と学びになった様子でした。さらにDAY1で作成した年表の完成を目指しましたが、新たな問いが生まれたり、ヒアリングを追加するところもあったりで、完成はDAY3に向けての宿題になりました。
左から、町家でのヒアリング、店舗への訪問、年表への落とし込みの様子

DAY3:未来シナリオデザイン

この日はこれまでに作成した年表やリサーチ、実際に地域の方々から聞いたことを軸に、①可能性の発想する、②シナリオの方向性をまとめる、③シナリオの主人公を決める、④起承転結で物語をつくる、という順序で未来シナリオの作成に取り組みました。
いきなり西陣という地域を捉えるのではなく、自分の2040年の未来を想像するというアイスブレイクを行ってから取り組んだため、参加者同士の関係性がさらに深まり、チームや会場の雰囲気がより和んだ状態で進めることができました。
途中、①で悩んでいる様子があったり、②の方向性や③の主人公がなかなか決まらないところ、④の物語までいけるかどうかと思うこともありましたが、最後にはなんとか両チームが未来シナリオを共有し、互いにフィードバックをし合うことができました。
その後は、最終日に向けてのプレゼンテーション準備。シナリオのアップデートのためには、リサーチを追加したり、物語に新たな発想を加えたり、プレゼンテーションの方法を考えることも重要になってきます。そのため、町家外での打ち合わせを組んだり、オンラインでのやり取りをしながら、最終日に向けての準備を進めていました。
左から、当日の準備風景、悩みながらも進めている模様、フィードバックの様子

DAY4:プレゼンテーションと振り返り

いよいよ最終日のDAY4。これまでの活動をまとめ、ギリギリまで作業しながら発表を迎えました。当日は京都市役所の方々や、西陣エリアで企業や地域との関わりが深い京都信用金庫西陣支店支店長の三輪氏にもお越しいただき、事務局からも含めてプレゼンテーションへの質問や感想、コメントをいただきました。
その後はゲストも交えながら、二つのチームが考えた西陣の未来をさらに深めるワークショップを行いました。最後には自分ごととして実践できる西陣への関わり方や、明日からでも行動できることを共有して終了しました。今回のプログラムを一つのきっかけとして、今後も町家を通じてさらに新しい西陣を感じ、関わり続けてもらえたらと思います。

振り返りの様子
皆さん、お疲れさまでした!

参加者からの感想

  • 普段あまりこのようなプログラムに参加しないこともあって、今回参加してみて新しい発見があり、自分の強みや弱みを知る機会にもなったし、スキルアップにもつながったと思います。これからに向けてのアイデアがたくさん浮かんできて楽しかった。
  • 今回のプログラムを通じて、西陣のことを知ることからはじまり、多くの人と関わりながらアポを取ったり年表をつくったりと多くのことを学べる機会になりました。この経験や学びをこれからの生活や人生に活かしていきたいと感じました。
  • 未来や環境問題を考えることがとても難しかった。ただチームで議論したり、実際にお店に足を運んだり、お話を聞いたことで最後に発表までできたことで達成感を感じることができたし、ワクワクすることができたし、今後も西陣や他の地域への関わりなどを続けていきたいと思いました。

最終プレゼンテーション抜粋

チーム名:ゆるっと
「もしも2040年、社会は変化しても地域とこだわりを大切にするような西陣になったら?」
西陣の食・飲食店における特徴は「ゆるさ」と仮定。2040年にはフードロスや環境を意識したり、培養ミートを活用したメニューやロボットによる接客が当たり前のものとなっている。ただ西陣ではその社会の変化を取り入れつつも、ロボットの導入はせず、人との関わりを大事にすることやメニューをお客さんとともにつくることなどが西陣の良さとして継続して「ゆるさ」が「こだわり」になって西陣から広がってゆく。そんな未来が、寸劇を取り入れながら発表されました。
チーム名:まるっとカンパニー
「もしも2040年、三密な西陣になったら?」
西陣は深いつながりがある地域性が特徴であるけれども、未来は情報も買い物もインターネットででき、家から出なくても生活ができる社会が加速し、人との関わりの希薄化、健康の悪化が社会問題となっている。そこでマルシェやイベントは貴重な機会として捉えられ、関係者同士がつながるプラットフォームをつくることにより誰もが運営者であり、出展者であり、お客さんである「三密=三者が密に関われる」状態が生まれ、関係人口の増加や行き来、外に出る機会の創出と健康問題の改善が進んでいる西陣になるのではないか?という未来像が語られました。
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