【情報理工学部】ファブスペースが森づくりとものづくりを学ぶ京北Fabツアーを開催!

ファブビレッジ京北」の上田 量啓さん(左から2番目)、高室 幸子さん(左から3番目)、吉田 聖也さん(左から4番目)と参加者集合写真
デジタルものづくり施設「ファブスペース」は、森とつながるシェア工房「ファブビレッジ京北」(Fab Village Keihoku / FVK)および、京北エリアの森づくりとものづくりの施設見学ツアーを5月13日に行いました。
本学からは情報理工学部と先端情報学研究科をはじめ、国際関係学部や文化学部、学外では京都芸術大学からなど色々な分野を学ぶ学生が参加しました。
ツアー当日は、ファブビレッジ京北を運営している一般社団法人パースペクティブ共同代表の高室 幸子氏にご案内いただきました。

製材所の見学

京北は、平安京や長岡京建設のために使用する建築木材を供給する場所として古くから林業が盛んに行われている地域です。京都市右京区に位置し、京都市街地から車で1時間程度で訪れることができます。
最初に訪れたのは「京北森林組合」の木材加工センター。「京北森林組合」は、製材の部門と森林管理の部門があり、この木材加工センターは製材加工のための施設です。製材するための専用の機械や製材後の木材や製材時に出る木皮などを見せてもらいました。

森の見学

次に向かったのは、京都市有の「合併記念の森」。高室さんが共同代表を務める一般社団法人パースペクティブは、協定事業者としてこの森の一角で植樹・育林事業を行っています。このツアーでは「工藝の森」という活動で行われている漆の植栽や現在の森の状況についてお話しをお聞きしました。ただ苗を植えるだけでなく、山の地形や地下水の位置やその変化などを観察し山のはたらきについて学び続けていること、地元の林業家さんのご協力を得て水害対策として地下水を通すための水路を作るなどスケールの大きい作業をされているというお話は印象に残りました。

シェア工房の見学

最後は、旧京北第三小学校の給食調理室につくられたシェア工房「ファブビレッジ京北」へ。木材で作られたファサードをくぐると、旋盤、ボール盤、サンダーといった木工機械のほか、自動かんな盤、バンドソー、昇降丸のこ盤といった大型木工機械まで設置されている部屋があり、オープンデーだった当日は家具職人の高室 久志さん、指物師の吉田 聖也さん、ろくろ木地師の上田 量啓さんが工房設備や制作物について丁寧に説明してくださいました。

参加者の感想(一部抜粋)

  • 森に行きお話を聞きながら、植物と実際に触れ合えたことが最も印象的な体験でした。今まで手元にある素材しか見えていませんでしたが、素材の背景を見て知ることでしか得られない感覚があるのだと感じました。
  • 木を削って器にする際に、日本式では道具(刃)も自分で作っているというお話があり、技術を受け継ぐ際にはその道具も継承すると伺いました。自分もある道具(デバイス)を用いた技術(コマンドなど)を初学者に分かりやすく指導する方法を考えているので、道具の習熟者から初学者への教育方法とそのプロセスという面で研究に活かせる学びだったと感じます。
  • 木材の循環や、森で起こること、木地、継木…と、普段触れない部分の情報が多く、理解することに必死でした。スタンプラリー的に回ることで雰囲気や概要をつかめると今度は、ひとつひとつを深掘りして知りたくなってきています。特に、森の中の素材とものづくりの関係性に関心を寄せています(イボタロウ、やすりになる葉っぱなど)。高室さんの「夏が近づくと虫がもっとたくさん出てきて、人の居場所がなくなる」という言葉が、私の日常とのコントラストが高く、印象に残っています。
  • 漆塗りの器の製作過程が、自分が想像していたよりも繊細で手間がかかるからこそ質の良いものができると実感しました。
  • 職人技というものを目の当たりにし、日頃から食器や家具を観察するようになりました。ネジを使わずに接合したり、手作業で木を削る作業に驚き、オーダーされたものを作るというアイデアを実現できる技術は、より沢山の人に知っていただきたいです。また、小さい子供たちがものづくりを体験できるのもとても魅力的で、私は周りにこのようなスペースがなかったので羨ましいです。

京北Fabツアー概要

日時 2023年5月13日(土)9:30〜17:30
見学場所 ファブビレッジ京北(Fab Village Keihoku / FVK)
京北森林組合
合併記念の森
参加者 7人(学生5人、教職員2人)
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