MOC vol.15「西陣の新たな日常づくりとつたえる仕事の今とこれから」開催報告

2023.11.13

京都市上京区の西陣地区にある学外拠点「町家 学びテラス・西陣」では、大学生から社会人まで幅広い世代がともに学び、地域とつながり、地域との関わりを通して多様な生き方や暮らし方、働き方の選択肢を増やすことを目的とした学びの場「町家オープンカレッジ(略:MOC)」を定期的に開催しています。
第15回目のMOCは、「西陣エリアに関わり、まちづくりや魅力発信を行う仕事の今とこれから」をテーマに開催しました。ゲストには、建築家としてまちづくりに関わる関目 峻行氏と、ライターとして西陣の魅力発信に関わる俵谷 龍佑氏のお二人をお迎えし、本学学生や卒業生、他大学学生、社会人とさまざまな方が集い、交流する場となりました。

最初に、各ゲストから自己紹介と西陣での取り組みをお話いただきました。お一人目のゲストの関目氏は、神奈川大学大学院を卒業後、店舗内装の設計施工会社のデザイナーを経て、2017年に独立。北九州市や徳島県牟岐町などさまざまな場所でイベントや空き家活用企画などを実施。現在、西陣エリアでは堀川商店街と一緒に新しい商店街の形を構想・企画されています。

俵谷氏は東京都府中市に生まれ、新卒で広告代理店に入社後、広告運用業務に従事。2015年にライターとして独立され、さまざまな分野のSEO記事の執筆やディレクション、メディアの立ち上げ業務などを経験。「トラベルライター」として、京都を起点に全国を旅しながら働かれています。西陣エリアでは、西陣の新たな協働が生まれるプラットフォームづくりを目指す「西陣ネイバーフッド」の中で「日々西陣」の連載記事をご夫婦で担当しておられます。
ゲストのお二人
イベントの様子
続くトークセッションでは、西陣エリアと関わるきっかけや感じていること、仕事のやりがいや今後の展望などについてお話していただきました。
全国を飛び回るお二人が、移住先に京都を選んだ理由は「雰囲気が好き」「便利すぎず不便でもない適度な都市」とのこと。さらに京都の中でも西陣に関わることになったきっかけを伺うと、知人とのつながりが始まりだったようです。イベントなどのお誘いに参加されているうちに少しずつ西陣エリアとの関わりが深くなったと、巻き込まれる力について語られました。

次に、地域に関わり、感じていることを伺いました。俵谷氏は、町内会の副会長に任命されたことで、地域で起こっている課題が自分ごとに変わっていったようです。関目氏は、地域の人から悩みを引き出すまでに時間がかかる難しさを感じる一方で、一度仲良くなると友達のような関係性をつくれるとお話されていました。そのような関係性を築くために、よそものだからこそ言えることを伝えたり、地域に長く滞在することを意識しているとのことでした。

最後に、お二人の今後の展望を伺いました。「まちづくりに自分が持っているスキルを生かして関わりたい」と話す俵谷氏に続き、「西陣といえばものづくりの象徴的な場所。その真髄に関わりたいし、完成品だけではなく素材や展開方法を見せるお手伝いをしたい。」と関目氏がお話されました。また「この話を聞いた皆さんは、既に共犯者になっています。皆でまちを面白くしていきましょう」と締めくくられました。

ゲストトーク後は、参加者同士でチームをつくり「堀川商店街にあるデッキの活用案」「日々西陣の記事案」のアイデアを出し合うワークショップを行いました。参加者からは「デッキをまちの人が交流できる場に。物々交換や立ち飲み、演奏会を行いたい」「西陣に住む人のリレーインタビューを日々西陣で取り上げてはどうか」と、たくさんのアイデアが集まり、参加者たちは実際に「共犯者」としてまちに関わっていくきっかけを得て、オープンカレッジは終了しました。
今後、11月15日(水)には俵谷氏が、12月6日(水)には関目氏がオープンデイのゲストとして来室されます。お二人のお話が気になる方はこの機会にぜひ「町家 学びテラス・西陣」へお越しください。
参加者の様子
ワークショップ
ワークショップ発表
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