京カレッジ 京都力養成コース「京都の歴史のなかの女性と政治・文化 -多様な資料と手法によるアプローチ-」開催

2023.06.02

京カレッジ京都力養成コース「京都の歴史のなかの女性と政治・文化 -多様な資料と手法によるアプローチ-」が5月6日、13日、20日、27日の4日間、開催されました。

本講座は京都市と公益財団法人 大学コンソーシアム京都が主催する「京カレッジ」市民教養講座の京都力養成コースとして開講したもので、本学文化学部の教員3人と日本文化研究所の上席特別客員研究員(京都・観光文化検定試験1級合格者)8人、計11人の講師がリレー形式で、講義(於、キャンパスプラザ京都)とフィールドワーク(青蓮院と高台寺)を行いました。

今年度の同講座は、「京都の歴史のなかの女性と政治・文化」に焦点をあて、史資料・地図・写真・記事等の分析や現地調査等を踏まえた研究成果が披露されました。

5月27日のフィールドワークでは、「最後の女帝、天下人の妻の面影を訪ねる-小満の候、青蓮院・高台寺に新たな発見を探索-」と題し、青蓮院と高台寺を訪れました。
中江 好喜・京都産業大学 日本文化研究所 上席特別客員研究員による説明を受けながら、青蓮院では本堂(熾盛光堂 しじょうこうどう)、宸殿(しんでん)、庭園等を散策。高台寺では開山堂(かいさんどう)、傘亭(からかさてい)と時雨亭(しぐれてい)(ともに重要文化財)を鑑賞しました。青蓮院で解説に立った中江研究員は「青蓮院は天明の大火で御所が焼失した時、後桜町上皇の仮御所となったことでも有名。上皇は、光格天皇(第119代天皇)を教育・支援し、朝廷権威の復活、近代天皇制への下地を作った」と語り、今回の京都の歴史のなかの女性に注目した話題提供がなされました。

講座終了後のアンケートでは、「初めて参加させていただきましたが充実していて楽しかったです」「女人をクローズアップした講座はなかなかないので、とても興味深かった」「ぼんやりと知っていた人物をより深く知ることができた」などの感想が寄せられました。

各回の講義テーマ

≪1日目≫

  • 第1講義「総論:京都の歴史のなかの女性と政治・文化—人物研究事始—」若松 正志 文化学部 教授
  • 第2講義「祇園のお梶—祇園三才女—」野口 典子 日本文化研究所 上席特別客員研究員
  • 第3講義「モルガンお雪の生涯」山本 茂博 日本文化研究所 上席特別客員研究員
  • 第4講義「おそめ-戦後日本社会の変容を体現した元祇園芸妓-」久宗 圭一 日本文化研究所 上席特別客員研究員

≪2日目≫

  • 第5講義「若江薫子と中西君尾—「勤王」であるということ—」笹部 昌利 文化学部 准教授
  • 第6講義「村山たか(かずえ)について」伊藤 修 日本文化研究所 上席特別客員研究員
  • 第7講義「村雲日栄—近代女性皇族の政治・社会活動—」深澤 光佐子 日本文化研究所上席特別客員研究員

≪3日目≫

  • 第8講義「橘嘉智子と承和の変」吉野 秋二 文化学部 教授
  • 第9講義「藤原道長と源明子の夫婦関係からみる平安時代の婚姻とその子弟」横井 剛 日本文化研究所 上席特別客員研究員
  • 第10講義「桂女と神功皇后伝説」森島 克一 日本文化究所 上席特別客員研究員

≪4日目≫

  • フィールドワーク「最後の女帝、天下人の妻の面影を訪ねる-小満の候、青蓮院・高台寺に新たな発見を探索-」中江 好喜 日本文化研究所 上席特別客員研究員


「総論:京都の歴史のなかの女性と政治・文化—人物研究事始」
「祇園のお梶—祇園三才女—」
「モルガンお雪の生涯」
「おそめ-戦後日本社会の変容を体現した元祇園芸妓-」
「若江薫子と中西君尾—「勤王」であるということ—」
「村山たか(かずえ)について」
「村雲日栄—近代女性皇族の政治・社会活動—」
キャンパスプラザ第3講義室
「橘嘉智子と承和の変」
「藤原道長と源明子の夫婦関係からみる平安時代の婚姻とその子弟」
「桂女と神功皇后伝説」
フィールドワーク「最後の女帝、天下人の妻の面影を訪ねる-小満の候、青蓮院・高台寺に新たな発見を探索-」
(青蓮院)
豊臣秀吉を支え、糟糠の妻とも呼ばれていた高台院(こうだいいん)については「明るくて人々に愛され、徳川家、天皇家からも信頼を得ていた」と解説
(高台寺)
PAGE TOP