【情報理工学部】デジタルものづくりと循環型社会を考えるために京都のスタートアップ企業2社を訪問

編み重ね3Dプリント技法を駆使した作品に触れる学生(撮影:PlaRial 松本 恵里佳氏)

2022年7月13日(水)に情報理工学部の伊藤 慎一郎 研究室の学生ら7名が旧下京図書館を改修したスタートアップ企業支援施設「淳風bizQ」の一階にある新工芸舎とプレシャスプラスチック京都を訪問しました。

3Dプリンタやデジタルファブリケーションを応用した新しい設計を探求する新工芸舎のスタジオには、たくさんの3Dプリント品がありました。一際目を引くのは、tilde(チルダ)という「編み重ね」という技法を用いたプロダクトシリーズです。一層ずつ樹脂の層を重ねながら出力する3Dプリント造形では、層が目立たないよう細かく出力するのが従来の考え方ですが、tildeは一層を最大限厚くして繊維のように編むように積層し、積層自体をデザインの要素としている点が特徴的です。

新工芸舎の作品を手に取る伊藤 慎一郎研究室の学生たち(撮影:学生)
新工芸舎を主宰するデザイナー三田地様から作品の解説を受ける学生たち(撮影:PlaRial 松本 恵里佳氏)

ほかにも、石の上に3Dプリント物を載せた作品「のせ物」がありました。石を3Dスキャンし、その表面にぴったり合う形を3Dプリントして載せるという、自然物に機能を載せることができる作品です。また、昔の技術である湿板写真を現代の技術に最適化した湿板撮影ができるカメラの作成、福祉用品の試作などのお話を聞き、3Dプリンタだからこそできる新たな可能性をたくさん知ることができました。

プレシャスプラスチック京都は新工芸舎を拠点に活動しており、コミュニティ単位で「自分たちの出したごみ」のリサイクルを可能にするオランダ発のオープンソースのプロジェクト「Precious Plastic」がベースとなっています。廃棄物をゴミではなく素材と定義し、海洋プラスチックを新たなプラスチック製品に生まれ変わらせる取り組みを行っています。新工芸舎のスタジオで出た3Dプリンタの樹脂端材をその場でリサイクルするという循環が生まれています。今回、学生は自分たちで素材を集めることから始めました。ポリプロピレン(PP)と書かれたプラスチックを日常生活の中で探し、ペットボトルの蓋やカプセルトイケースなど様々なものを持ち寄りました。砕いたプラスチックを射出成形機に入れて熱し、金型に流すと、混ざったプラスチックが綺麗なマーブル模様となって出てきます。持ち寄った素材によってマーブル模様が異なるのがプレシャスプラスチックの醍醐味です。金型は3Dプリント型でも代用することができるため、学生たちはどのような型を作りたいか考えていました。
今年9月には大学内のファブスペースにて、プレシャスプラスチックとデジタルファブリケーションを組み合わせたワークショップを開催予定です。

日常生活の中で見つかったペットボトルの蓋やカプセルトイケースなどのポリプロピレン(撮影:学生)
プレシャスプラスチック射出成形機によってカプセルトイケースがボタンに生まれ変わる(撮影:PlaRial 松本 恵里佳氏)

学生の感想

  • 積層の痕が残るという熱溶解積層型3Dプリンタの欠点を利用し、網目状のものを作成する発想に感動しました。欠点の部分を消そうと考えるのではなく、それを活かしたデザインができるということを学ぶことができました。
  • 身の回りにあるものが発想の気づきにつながり、デジタルファブリケーション技術によって無駄な資源消費の削減につながることがたくさんあるのではないかと感じました。
  • 海洋のプラスチック漂着物などの国際的な問題に、個人レベルで直接取り組むことができるということに魅力を感じました。
  • 今まではプラスチック自体に興味がなく、身の回りにあるものとして認識していましたが、今回の経験から大切な資源をゴミにするのではなく、他のことに活かすような取り組みに興味を持ち視野を広げることができました。

(ライター 情報理工学部4年次 香川 亮子)

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