2021年度秋学期人権教育啓発講演会 保健管理センター医師 新宮 一成氏がオンラインで講演

2021.12.20

京都産業大学では、人権教育の取り組みや人権啓発を目的に、人権問題に関わる様々な事柄について、知り考える機会として、「人権教育啓発講演会」を年2回開催しています。
11月24日(水)は、本学保健管理センター医師 新宮 一成氏を講師にお招きし、「メンタルヘルスと福祉~生活、健康、支援~」と題して、オンライン形式でご講演いただきました。
講演会では、精神科専門医のお立場から「メンタルヘルスと精神疾患」、「メンタルヘルスと福祉」、「精神疾患と福祉」のテーマに沿って、詳しく解説いただきました。
精神疾患については、精神保健福祉法によって、疾患への治療や社会的な援助の方途が定められ、福祉の観点に基づいて支援、社会復帰、自立と社会経済活動への参加の促進が謳われています。一人一人が精神の健康に留意し、病気のために障害を負った人への支援の姿勢を持つことが、社会全体の心の健康を守ることにつながると考えられています。明治期に主であった精神病者を監督し保護するという考え方から、戦後は、身体の病気と同様に治療と福祉を進める方向へと、理念が更新されています。
心と身体の区別に関わらず、障害のある人への福祉は、国際的な議論を通じて各国で制度として取り入れられてきており、わが国では障害者総合支援法が定められています。人間の尊厳を守ってゆくことがその基本的な理念です。この考え方に基づいて、発達障害をもつ人への支援も含め、各方面での法整備が進められている現状が紹介されました。
講演を通して、多くの事例を解説いただき、メンタルヘルスについては、日々の勤労生活において心の健康を職場全体として維持するためのストレスチェック制度との関連が話されました。この制度は労働安全衛生法に基づいて導入されており、ストレスを減らし心の健康を心がけることが自分自身の人権を守ることに繋がることをあらためて考えさせられる機会となりました。
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