MOC vol.8「庭の世界と自分をつなげることで見えた可能性」終了!

2021.12.10

京都市上京区の西陣地区にある学外拠点「町家 学びテラス・西陣」では、大学生から社会人まで幅広い世代がともに学び、地域とつながり、地域との関わりを通して多様な生き方や暮らし方、働き方の選択肢を増やすことを目的とした学びの場「町家オープンカレッジ(略:MOC)」を定期的に開催しています。

第8回目となる今回のMOCは、「庭の世界と自分をつなげることで見えた可能性」というテーマで、「庭園」という日本らしい世界と、自分の中にある「やりたい」をつなぎ合わせてご活躍されているお二人をゲストに迎えて開催いたしました。

一人目のゲストは、2016年より日本全国の庭園を紹介するウェブメディア「おにわさん」を制作・運営されているイトウ マサトシさん。イトウさんは庭園を巡るなかで、インターネット上に庭園の情報が少なかったこと、荒廃した古庭園の現状や課題と出会ったことによって、庭園の存在を知ってもらうためのウェブメディア「おにわさん」を始められました。これまで足を運んだ庭園は1,600箇所以上!「おにわさん」のインスタグラムはフォロワー数3万人を突破しています。

二人目のゲストは、フランス出身で本学文化学部のマレス エマニュエル准教授です。専門は日本建築史・日本庭園史。マレス先生は日本語を勉強する過程で日本文化と出会い、縁側や庭園の世界に魅了されました。京都へ来たことをきっかけに、日本文化を自分で体験し、より詳しく学ぶために庭師さんのもとでアルバイトをされていたそうです。日本庭園史学の研究をしながら、フランスの庭師ジル・クレマンについて制作されたドキュメンタリー映画『動いている庭』の企画や製作、日仏翻訳にも携わり、日本とフランスの架け橋として庭園文化の交流に尽力されています。

イトウさんとマレス先生のお話のあとは、マレス先生のゼミに所属している学生たちから、「町家 学びテラス・西陣」が持つ「奥庭・前庭・トオリニワ」について調査し、作成した図面を用いてプレゼンテーションをしていただきました。庭にある石灯篭や飛び石の配置と役割、植物の効果とその変化など、普段町家にいるスタッフや行き来する学生の方々としても新しい視点と気づきを得ることができ、調査を通した学びも共有いただける発表となりました。

最後のトークセッションでは、「どんな入り口からでもどんなきっかけからでも庭園を知って、気軽に足を運んでみてほしい。」とイトウさん。一方でマレス先生は、「視覚的な情報だけでなく、縁側で何も考えずにそこでゆったりとしているように感じてほしい。」とお話しされました。「何がいい庭なのかを規定する条件は決まっていない。庭を見る人たちが自分たちで何がいいのかを探していける。それは人生も同じなのでは?」と締めくくられました。

その後、参加された方からは「庭の魅力やその楽しみ方を知ることができ、同じ庭というものはないということからその時々でもっと注意深く観察したい。」「その瞬間を楽しむことがこれからに繋がっていく。というお話が強く印象に残っている。」との感想が集まりました。

自分の中にある楽しさや興味関心をどんな分野に繋げていくのかを考えた今回のMOC。また次回もぜひお楽しみに!

大広間でゲストのお二人とともに
4年次生達によるプレゼンテーション
ゲストのお二人とモデレーター記念撮影
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