ワーク・ライフ・バランス入門講座を実施しました(5月30日)

2019.05.30

5月30日、経済学部「ワーク・ライフ・バランス入門講座」を、本学の学部生、院生、教職員にも聴講対象を拡大し、ダイバーシティ推進室の協賛による公開授業として実施しました。「女性とその家族の一生涯のサポート」を理念としておられる医療法人財団足立病院 理事長 畑山 博氏を講師にお迎えし、「少子高齢化社会におけるワーク・ライフ・バランス」をテーマに講義いただきました。
畑山氏は、はじめにワーク・ライフ・バランス(WLB)とは、ワークとライフに費やす時間が常に50%ずつに均整のとれた状態ではなく、ライフステージによって比重を変えながら全体としてのバランスをよくすることだと定義されました。そして、WLBのバランスが崩れると、働きすぎの状態が続き、社会的立場に関係なく過労死などにつながる危険性があると指摘されました。
政府が一億総活躍社会を掲げてWLBを推進するのは、日本の経済力の衰退を止めるためであり、その要因となっている少子高齢化への対応であると説明がありました。
少子高齢化問題は、出生率の減少、介護離職の増加などと密接に関係しており、さらには税収入の減少や国力の脆弱化をもたらすことから、国家全体の問題であると指摘されました。少子高齢化社会では、稼得収入のない人(多くは高齢者)の生活を支える働き手の人口が減少しているため、年金・福祉施策の社会保障費負担は増える一方です。労働力の確保のため、政府から男性には「結婚してほしい」「子育てしてもらいたい」、高齢者には「定年後も働き続けてほしい」、特に女性には「働いてもらいたい」「子どもを産んでほしい」「親の介護も頼みたい」と過剰な期待が寄せられています。つまり、WLBとは、労働力の確保を目的とした言葉であり、少子高齢化が進む日本はWLBの推進が必要不可欠な状況であると話されました。また、近年では、男性、女性ともに未婚率が上昇していることも少子高齢化の原因であると指摘されました。
本当のWLBとは、それぞれがライフステージにおいて楽しい人生を送ることであり、そのためには、学生時代を楽しみ、大切にしてほしいと学生達にメッセージが送られました。

 

講座の様子
講師:畑山 博氏
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