サギタリウス館 完成

2016.03.18

サギタリウス館から船山を望む
本学最大となる学舎『サギタリウス館』が完成し、竣工式を執りおこないました。
サギタリウス館1階には、外国語学部10専攻語を生かし、楽しみながら学べる多言語・多文化共生空間“グローバル コモンズ”が誕生しました。グローバル コモンズには、本やDVDで多言語に触れられるスペースや、勉強方法などについて気軽に相談できるスペース、ディスカッションスペースなど多くの機能を備えており、この場所で新しい学びが始まります。
サギタリウス館と雄飛館(右)
グローバル コモンズ(ピロティ側)
グローバル コモンズ

蒔絵「『サギタリウスへ』-大志をはぐくむ」 展示

サギタリウス館1階エントランスには下出蒔絵司所3代目で、文化学部京都文化学科 下出 祐太郎 教授の蒔絵パネルを展示しています。
この蒔絵は「『サギタリウスへ』-大志をはぐくむ」と名づけられました。
下出教授
プレート

蒔絵パネル『サギタリウスヘ』-大志をはぐくむ

文化学部京都文化学科 教授 下出 祐太郎

サギタリウス(射手座)は、ギリシャ神話に登場する半人半馬のケイローンの姿をかたどった星座です。京都産業大学創設者であり初代学長である荒木 俊馬 先生は、夜空を自由奔放に駆け回るその姿に、雄飛する若者の姿を重ねられました。大きな夢を抱き、広い心を持った国際的人物となってほしいという先生の願いが、サギタリウスには込められています。
荒木先生の教学の精神を代々受け継いできた京都産業大学の先生方をはじめとする関係各位の意志をコンセプトとし、学歌をモチーフとして考案し制作いたしました。
上面に天空、下面に地上をイメージし中央に神山を配しました。神山は世界遺産上賀茂神社の御祭神・加茂別雷大神(かもわけいかづちのおおかみ)が御降臨された岩座(いわくら)と伝えています。神山には賢者の象徴として象ったヒキガエルが溶け込んでいます。
天空に飛び立つおびただしい鳥たちは、我が京都産業大学に学び巣立って行く学生諸君を表しています。
京都産業大学が創立50周年を迎えた2015年度は、京都においては琳派400年記念年と位置づけらました。学生諸君を表わす輝かしい鳥たちは、琳派の代表作家である本阿弥光悦筆・俵屋宗達絵の重要文化財《鶴下絵三十六歌仙和歌巻》に描かれた群鶴デザインを出典としました。鶴は古くから瑞鳥として親しまれています。金銀表現という素材についても祝賀の意味を込めました。
天然素材うるし(漆)と、京都で1200年続く蒔絵の伝統技法で制作いたしました。
今回の制作に当たっては、新しい素材の使用を試みました。基盤に金属成形合板アルポリック、金や銀の金属粉末に加えて人造宝石京都オパールの粉末を使用し、新しい表現効果を加味しました。
蒔絵技術としては、研出蒔絵を主軸とし平蒔絵を併用しています。
細部にわたっては、神山を京都オパール、神山を囲む地上の空には粗い金粉を蒔きぼかしたあと、ブルー漆を塗りぼかし研ぎ出しています。天空の表情は、漆の文字通りの漆黒で表現し、サギタリウスは純金板の平文技術、まわりのはるか天空には螺鈿の青貝技法を用いました。

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