総合生命科学部 バイオフォーラム2015 開催報告

12月11日(月)に総合生命科学部バイオフォーラムが開催されました。京都大学医学研究科から成宮 周 特任教授を講師としてお迎えし、「私のRho GTPase研究;C3酵素の発見から現在まで」という題目でご講演いただきました。長年のRho研究の中でその時々に何を考え研究してきたかをお話していただきました。参加者は学生を含め70名を超え、満席となり大盛況のうちに幕を閉じました。

講演要旨:先日、京都産業大学総合生命科学部津下英明教授からC3酵素–Rho A複合体の構造解析の論文を送って頂いた。ボツリヌス菌の産物としてRhoをADPリボシル化する酵素を見出した者として一入の感慨がある。私のRho研究は、このADPリボシル化酵素活性とその基質としてRhoを同定したことに始まり、このC3酵素をツールとして用いたRhoの細胞機能の解析、そして、この機能を介達するROCKやmDiaなどのエフェクター蛋白質の単離同定、ROCK阻害薬Y-27632の発見とエフェクターの細胞機能の解析、そして現在のエフェクター分子の遺伝子欠損マウスを用いたRho signalingの個体での役割の解析へと進んできた。バイオフォーラムでは、その時、その時に何を考えて、研究して来たかについて述べる。

質疑応答:「Rho signalingにおける創薬のターゲットはRhoの上流と下流どちらがいいのか」という質問に対し、「下流のほうがより選択的、特異的にシグナル伝達を止めることができる」とご回答いただきました。また、Rhoや細胞骨格系に興味の有る教員からも質問があり、講演終了後も討論が続きました。
講師の成宮 周 特任教授
講演には学生をはじめ多数の参加者が集まった
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