ビッグデータから見える近未来スマートシティへ向けて
記憶に残るランドマーク・ナビゲーションを公開デモ展示

サイバー関西プロジェクトがグランフロント大阪北館ナレッジキャピタルにおいて、京都産業大学、京都大学、鹿児島大学が研究開発した「記憶に残るランドマーク・ナビゲーション」を公開デモ展示します。

戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE) 重点領域型研究開発(ICTイ ノベーション創出型)[研究課題名:大規模匿名データ解析に基づく非言語型誘導を実現するスマートナビの研究開発]の一部委託をうけ、京都産業大学、京都大学、鹿児島大学が研究開発した「記憶に残るランドマーク・ナビゲーション〜ビッグデータから見える近未来スマートシティへ向けて〜」を、サイバー関西プロジェクトがグランフロント大阪北館ナレッジキャピタル 「The Lab.みんなで世界一研究所」において公開デモ展示します。展示では、大文字山や大阪城、電車通りといった、遠くからでも目立ち目印になる地物を利用した、直感的で道に迷いにくい道案内に加えて、大規模匿名データ(ツイッターやFoursquare)とバーチャルシティデータを分析し抽出した、銀杏並木通りといった、記憶に残りやすいランドマークを用いたこれまでにないナビゲーションをデモンストレーションします。

リリース日:2015-12-01


ビッグデータから見える近未来スマートシティへ向けて
記憶に残るランドマーク・ナビゲーションを公開デモ展示
開催日 2015年12月8日(火)~13日(日)
開催場所 グランフロント大阪北館ナレッジキャピタル
「The Lab.みんなで世界一研究所」3階 Vislab OSAKAブース
(大阪市北区大深町4-1(うめきた広場)、4-20(南館)、3-1(北館))
本件に関するお問い合わせ先 京都産業大学 コンピュータ理工学部 
准教授 河合 由起子 
TEL:075-705-2958
E-mail: kawai@cc.kyoto-su.ac.jp

主な研究者
河合 由起子(京都産業大学 コンピュータ理工学部 准教授)
秋山 豊和(京都産業大学 コンピュータ理工学部 准教授)
アダム・ヤトフト(京都大学大学院 情報学研究科 特定准教授)
川崎 洋 (鹿児島大学大学院 理工学研究科 教授)

ポイント
・大文字山や大阪城といった、遠くからでも目立ち目印になる地物(ランドマーク)を利用した、直感的で道に迷いにくい道案内を自動で提示します。
・海外などで、スマートフォンが使えない場合でも、目的地に向かっていることを確認しながら進めるように、目立つ建物や、道路(川沿いなど)を利用した道順を案内します。
・震災時の避難経路や、オリンピックなどの大規模イベントの際の道案内としても利用可能です。

技術内容
Google Naviを確認しながら移動するユーザは急増していますが、移動しながら小さな画面を見て経路を確認することは危険を伴います。ランドマーク・ナビゲーション(以下ランドマークナビ)では、人が記憶しやすく視認性の高いランドマークを抽出することで、効率性ならびに安全性の高いナビが実現できます。このランドマークナビは、郵便局やコンビニのような近くまでいかないと視認できないが、 ユーザの現在位置を高い精度で同定できるもの(点のランドマークと定義)、京都タワーやスタジアムなど、遠方からでも視認できるが、現在位置をおおよそにしか同定できないもの(面のランドマークと定義)、さらに電車通りや河川のように、近くまで行かないと視認できないが、その範囲が線状に広がりを持つもの(線のランドマークと定義)の3つ(点と線と面)を視認性と注目度に基づいて抽出し、従来なし得なかった数種類のランドマークを同時に利用可能なナビゲーションを実現しました。本システムにより、ユーザは、評判が高く、また少ない数のランドマークを記憶して、スマートフォンなどで地図を確認するルックアップ回数を減らしつつ、目的地に到達することができます。
さらに、埋め込みセンサデバイスから得られる信頼性の高いデータから得られる、イベントの開催や人の混雑具合といった状況変化の情報や、GPS 付きモバイル端末(スマートフォン)から得られるConsumer Generated Media データ(TwitterとForsquare)を時空間情報に基づき分析し、さらにバーチャルシティを構築することで、状況変化に柔軟に対応したナビゲーションを実現しています。
なお、この技術は、2015年 3月に東京で開催されたHCI (Human Computer Interaction)分野では国内で最高峰、最大の会議である情報処理学会主催インタラクション 2015(参加者数 757 名)においてベストペーパー賞(221 件中 1 件)を受賞している他、時空間情報に基づくSNS分析技術は世界最高峰の国際会議であるACM Conference of World Wide Web 2015 (WWW2015)に採択され5月に発表を行い、同じく世界最高峰の国際会議21st ACM SIGKDD Conference of Knowledge Discovery and Data mining(KDD2015)に採択され、8月に発表を行っています。
本研究開発は今後、情報通信研究機構(NICT)の委託研究「日欧が連携する都市型Smart ICT実験環境の創出とアプリケーション実証(FESTIVALプロジェクト)」と連携し、都市部におけるセンシングデータならびに実証実験環境の活用により、更なるシステムの改良ならびに実証実験を行っていく予定です。
■ 公開デモサイト:Landmark Navi Beta route search ■
http://www.ibe.kagoshima-u.ac.jp/~lmnavi/
 
背景
欧米の主要都市では駅を中心として大量のセンサを埋め込み、電車等の情報をデジタルサイネージやスマートフォン等に配信し、利用者を効率よく目的地に誘導するといったスマートシティ構築を産官学が連携して推し進めています。大阪でもFESTIVALプロジェクトにおいて、都市部におけるSmart ICT実証実験環境の構築が進められています。
しかし、スマートフォンを手に持ちながら移動することは危険を伴うことが指摘されている他、GPSの精度が低いと自分がどこにいるのかが分からなくなることがあるなど、ナビゲーション時の課題解決が望まれています。特に、旅行先や、震災などでは、そのニーズが特に高いと言えます。
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