荒木望遠鏡の観測により、わし座の新天体が新星であることを確認
2010年9月11日の夜、有名なアマチュア観測家の西山さんと椛島さんによって、わし座に新天体が発見されました。京都産業大学神山天文台新井彰研究員は、この天体の正体を明らかにするため、その日の深夜に京都産業大学 神山天文台の荒木望遠鏡と分光器 (LOSA/F2) を用いてこの新天体を観測しました。
観測の結果、この天体が秒速約1500kmでガスを吹き飛ばしている「新星」であることを突き止めました。この結果はほぼ同時刻に広島大学の東広島天文台で行われた観測でも確認されました。



新星爆発によって放出された水素原子から出た光(Hα輝線; 図中矢印)スペクトル線の広がりから、秒速1500kmで放出されていることがわかる。
新星とは?
新星とは、すでに燃え尽きた星(白色矮星)の表面で起こった爆発的な核融合燃焼反応によって明るくなった天体です。
爆発によって、明るさは百倍以上となり、星表面のガスは秒速数百km〜数千kmの速度で宇宙空間へ放出されます。明るさは数ヶ月かけて元に戻ります。
一度燃え尽きた星の表面で再びガスが燃えるためには、相方の星からのガスの供給が必要です。すべての新星は相方の星がある連星系なのです。
新星のように、突然星が何百倍も明るくなるためには、地球よりも遥かに大きな空間において、高温、高圧、高密度の環境が必要であると考えられています。現在のところ、私たち人類はこのような環境を取り扱うことができません。そこで、このような天体を"自然の物理実験室"として観測することで、物理学や化学などの分野の新たな知見を得ることができます。