平成30年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「中間報告書」

1.「学習成果実感調査」についての分析結果

本年度の計画において取組むテーマは、「事前事後学習の強化をもたらす新しい授業形態の導入」であり、特に学生が事前事後の学習に、自主的に興味を持ちながら進めるための仕掛けを導入することに重点を置いている。この目的に向けて既に行った公開授業については「公開授業&ワークショップ」の欄に記すが、公開授業の実施などにより、学部教員の問題意識が全体としては少しずつ変化しているように感じられる。
春学期の学習成果実感調査によると、科目ごとの事前事後学習の平均時間が1時間を超える学生は、昨年の春が全体の36%であったのに対して、今年の春は40%とほぼ同じレベルであった。教員が問題意識を共有しつつある一方で、多くの学生にとって、未だ十分な事前事後学習の時間が確保されているとは言えない状態にある。教員によっては授業後に毎回レポートを提出させるなどの方法をとっているが、それ以前の問題として、勉強への意識づけや勉強への興味を向上させることができない限りは、学生の学習効果を挙げることは難しい。この問題への対処方法を引き続き考え、実践していく必要がある。

2.「公開授業&ワークショップ」についての成果報告

①「公開授業」:「腫瘍生物学」佐藤 賢一 教授
平成30年4月17日(火)2時限
参加教員数13名

②「ワークショップ」:参加教員10名

ワークショップでの意見交換内容

質問駆動型の斬新な授業形態による講義であった。教員は皆、質問出しの難しさを日々痛感しているが、この授業にはそのための様々な工夫があり、大変参考になったとの意見が多かった。とりわけ、質問の種類を分類する(閉じた質問か開いた質問か)というワークは斬新で興味深い。自分の担当授業に、この授業形態をそのまま導入することはできなくても、その一部を自分の担当授業に取り入れることで、これまでの授業との違いを生み出せる可能性を感じた。一方で、この授業形態の授業は、基礎知識の定着を主眼とする講義への適用は難しいとの意見もあった。また、質問駆動型授業は単発に終わっては効果が薄いので、様々な機会を通して継続的に進めていく必要があるのではないか、との意見もあった。
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