令和3年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「中間報告書」

「学習成果実感調査」についての分析結果

昨年度までの学習成果実感調査では、初年次科目と初年次以外の科目に分けて調査していた。その結果、初年次科目は、1. 回答率が高い、2. シラバスの確認率が低い、など、一定の傾向を確認することができたので、今年の調査では初年次科目の区別を無くした。今年からの変更点として、学部開設後4年目の年度、ということもあり、本学部・学科の「コース制」のカリキュラムの検証につなげるため、新たな調査項目として、「コースの修得に、その科目が有意義であったか」を問う設問を加えた。また、全科目を調査対象としたことによって、春学期は特別研究IIが新たな調査対象になった。

全体的な傾向: 
春学期の授業は、演習・実験系の科目は概ね対面で実施し、通常の講義科目はオンラインで実施した。学習成果実感調査はオンラインで実施した。全科目平均での実施率は88.00%、回答率は32.19%であった。昨年は初年次科目の実施率が87.50%、回答率が53.43%であり、初年次科目以外の実施率が94.74%、回答率が27.51%であったので、全科目平均では、実施率と回答率の両方ともやや低下したと推察される。また、科目による回答率のばらつきが著しく大きい。高いものは90%以上(基礎プログラミング演習I)であるのに対し、回答率が数%の科目も存在する。
全科目における出席回数に関して(設問1)、出席率80%以上と回答している学生が94%であった。(昨年は初年次以外が90%、初年次が88%、一昨年は初年次以外が84%、初年次が一昨年93%)。履修に関してシラバスを確認したかどうかに関する質問(設問2-1)に対しては、91%の学生が確認したと回答している(初年次以外:昨年91%、一昨年84%、初年次:昨年80%、一昨年76%)。このように、出席回数とシラバス確認について、数値は上昇傾向にある
「設問3、準備学習時間等」の回答によると、75%の学生が1時間以上の時間を準備学習等に使っている。「設問7、授業に積極的に取り組んだか」、「設問8、内容を理解、または習得できたか」、「設問9、成長を実感できたか」の設問に対して「強くそう思う」「そう思う」との回答がいずれも80%程度であった。したがって、回答した学生の80%が授業に積極的に取り組み、理解でき、成長を実感した。授業に関する、その他の設問に対しても、80%前後の学生がポジティブな回答を寄せている。
オンライン授業に関する、「設問4-1、使用した機器や接続方法で円滑に学習を進めることができたか」に対して、「できた」が60%、「どちらかといえばできた」が30%、「どちらとも言えない」が10%、「どちらかといえばできなかった」と「できなかった」を合わせて1%であった。また、「設問5、使用した機器や接続方法で学習意欲の変化があったか」に対して、「高まった」が21%、「どちらかといえば高まった」が30%、「変わらなかった」が41%で、その他の、意欲が下がった学生は8%であった。これらの結果から、回答した学生(全体の30%程度)に関して、オンライン授業が修学の妨げになっていることは少ないと判断される。

コース選択について: 
「設問6、選択したコースの修得に、この科目は有意義でしたか」に対して、全体平均では、「強くそう思う」が36%、「そう思う」が51%で、90%に近い学生が有意義であったと答えており、コース制と科目の履修が整合しているとみることができる。一方、個別の科目については、回答にばらつきがある。

特別研究IIについて:
今年から特別研究IIを調査対象とした。回答率は20%で、全科目平均よりもかなり低い。ほとんどの設問に対して、全科目平均よりも良い結果を得ている。例えば、「設問11、この科目を履修してよかったですか」に対して、特別研究IIは「強くそう思う」が48%、「そう思う」が43%で合計91%、全科目平均では「強くそう思う」が34%、「そう思う」が52%で合計86%であった。学生にとって、特別研究IIは通常の講義・演習・実験科目よりも、充実した学びの場となっていると言える。



「公開授業&ワークショップ」についての成果報告

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