令和元年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「中間報告書」

1.「学習成果実感調査」についての分析結果

令和元年度も昨年度の情報理工学部の新設に伴い、一部のコンピュータ理工学部開講科目の廃止および情報理工学部開講科目の新規開講が年次進行で行われているため、前年度との比較は必ずしも適切でない状況が継続している。今年度、情報理工学部所属学生は2年次に進学している。初年次(1~2年次)の教育と3年次以降の講義科目との履修状況の違いを分析する目的からは、学部専門科目をこの2つのカテゴリーで分けて統計を行った。また、1~2年次開講の初年次科目に関しては、履修者を1~2年次生と3年次生以上に分類して個別に統計を取ることを希望していたが、今年度になり初めて業者がこの作業に対応可能となった。昨年度は1年次生開講科目を「情報理工学部開講科目」、2年次生以上の開講科目を「コンピュータ理工学部開講科目」と分けて統計を行ったが、今年度は「情報理工学部/コンピュータ理工学部 初年次科目(1・2年次生)」、「情報理工学部/コンピュータ理工学部 初年次科目(3年次生以上)」と「情報理工学部/コンピュータ理工学部 初年次科目以外」の3つに分類された。移行期のため、各カテゴリーに属する講義科目および履修学生に変動があるが、大雑把には昨年度の「情報理工学部開講科目」と「コンピュータ理工学部開講科目」が今年度の「情報理工学部/コンピュータ理工学部 初年次科目(1・2年次生)」と「情報理工学部/コンピュータ理工学部 初年次科目以外」に対応すると考える。情報理工学部のカリキュラムでは、コース選択を反映したコース要件科目が1~2年次に新たに開講されたり、3年次以降で開講されていた選択科目が1~2年次開講科目に前倒しされたりしているため、各カテゴリーに含まれる講義科目にも前年度からある程度の変動がある。

情報理工学部/コンピュータ理工学部 初年次科目以外(昨年度のコンピュータ理工学部開講科目)

学習成果実感調査は、対象科目数36科目(全履修者数3,112名)のうち35科目に対して実施(実施率:97.22%)した。また回答者数は1,519名であり、回答率は48.81%であった。なお、平成30年度は対象科目35科目(全履修者数3,129名)に対して34科目の実施率97.14%であり、回答者数は1,591名であり、回答率は50.85%であった。年々、回答率の低下が続いていたが、今年度もこの傾向は継続している。全科目における出席回数に関して、84%の学生が出席率80%以上であると回答している(昨年86%)。履修に関してシラバスを確認したかどうかに関する質問に対しては、84%の学生が確認したと回答している(昨年85%)。過去3年連続して回答率の低下と出席率の上昇の傾向が生じていたことから、履修登録を行った学生の内、継続して授業に参加する集団と参加しない集団の二極化が進行していると考えた。学習成果実感調査が実施された学期後半に授業に参加している可能性が高い前者の集団のみが統計の対象となると考えると、回答率の低下と出席率およびシラバス確認率の上昇の相関は説明できる。今年度も回答率の低下は継続しているが、出席率にも若干の減少がみられることから、二極化は継続しているが、学期末の段階で授業に参加している学生のレベルも頭打ちして、定常化したと考えられる。

情報理工学部/コンピュータ理工学部 初年次科目(1・2年次生)(昨年度の情報理工学部開講科目)

学習成果実感調査は、対象科目数14科目(全履修者数1,097名)のうち14科目に対して実施(実施率:100%)した。また回答者数は916名であり、回答率は83.50%であった。なお、平成30年度は対象科目16科目(全履修者数1,014名)に対して15科目の実施率93.75%であり、回答者数は810名であり、回答率は79.88%であった。昨年に比べての回答率の上昇の一因としては今回が1・2年次生のみを対象とした統計を取っているためであると考えられる。【参考に「情報理工学部/コンピュータ理工学部 初年次科目(3年次生以上)」では、対象科目数7科目(全履修者数81名)のうち6科目に対して実施(実施率:85.71%)、回答者数は16名であり、回答率は19.75%となる。】全科目における出席回数に関して、93%の学生が出席率80%以上であると回答している(昨年度は93%)。履修に関してシラバスを確認したかどうかに関する質問に対しては、76%の学生が確認したと回答している(昨年度は71%)。「情報理工学部/コンピュータ理工学部 初年次科目(1・2年次生)」は「情報理工学部/コンピュータ理工学部 初年次科目以外」と比べて、出席率は高いが、シラバスの確認の割合は低いことから、1、2年次においてはシラバスを確認する勉学意識の高い学生とシラバスを確認しない勉学意識の低い学生が未だ混在しており、後者の集団は必修科目にはとりあえず出席しているものと考えられる。これは昨年度と同様の傾向である。これらの勉学意識の低い学生は2年次以降の選択科目への出席率の低い集団の予備軍である可能性が高いと予想され、初年次での意識改革が必要と思われる。

2.「公開授業&ワークショップ」についての成果報告

  1. 公開授業:「プロジェクト演習」赤崎、岡田、永谷、青木、荻原、中島、宮森
    令和元年7月5日(金)4~5時限 実施時間に講義を担当する教員も居り、参加人数は数名に留まった。
  2. ワークショップ:
    令和元年7月10日(水)13:15~14:45 参加教員数22名

ワークショップでの意見交換内容

  1. 「プロジェクト演習」の総括と来年度以降の運営方法に関して(永谷先生他担当者)
    来年度から新学部生が受講するプロジェクト演習に関して担当スタッフでの決定事項の説明。具体的なテーマや配属方法、コース制との関連などに関して、担当者での議論で出された意見や最終決定案の説明。
  2. 学生実験の実施方法変更に係る現状報告(蚊野先生)
    今年度実施した変更内容と現在までの運用状況、現在までの問題点と今後想定される問題点などの説明。留年予備軍の中間層の学生への指導に対する考えの説明。
  3. 情報理工学部の教育カリキュラムの現状把握・コンピュータ理工学部と比べての傾向と対策(平井先生)
    情報理工学部の学生の傾向と対策に関して意見の説明。コンピュータ理工学部の学生の留年者状況と合わせて、今後の教学指導の方針に関しての意見。特に、コース制に関しての学生の認識と選択に関しての状況説明。
  4. 情報理工学部生の特別研究I配属方法に関しての意見交換(水口先生)
    来年度から新学部生を受け入れる特別研究での配属方針などに関して学部教務担当者からの意見の説明。今後のプロセスの予定に関して説明。

尚、ワークショップでの議論の内容は、議事録を作成し、学部教員全員による内容確認を行い、最終版を全員に送付し情報共有を行っている。

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