総合生命科学部 バイオフォーラム2015 開催(2015.06.03)

 最先端の生命科学研究に触れてみませんか

日時 2015年6月3日(水) 16:00〜17:00(15:30開場)
場所 京都産業大学 15号館1階15102セミナー室
交通 ※キャンパス内に駐車場はありません。公共交通機関をご利用ください。
交通アクセス
備考 事前申込不要・入場無料・一般の方の参加歓迎
主催 京都産業大学 総合生命科学部

活性酸素-Ca2+シグナルネットワーク、オートファジーによる植物の免疫・発生・生殖の制御

朽津 和幸 教授
東京理科大学 理工学部 応用生物科学科

 植物は各細胞の自律的な応答性に基づく分散型の情報処理により個体全体を統御するシステムを進化させて来た。植物免疫、環境ストレス応答、先端成長・発生など植物の高次機能の基盤となる細胞表層における情報統御系の根幹に、活性酸素種(ROS)の積極的生成系とCa2+濃度変化とが重要な役割を果たす。ROS生成酵素Nox/Rbohは、Ca2+の結合とリン酸化により相乗的に活性化される(Ogasawara et al. JBC 2008)。ROSの積極的生成の多様な生理的意義、制御機構とその進化を解明することを目指して、シロイヌナズナ、ゼニゴケ等のROS生成酵素の網羅的解析を進めている。シロイヌナズナ RbohH, RbohJは花粉に局在し、両者がCa2+により活性化されapoplastにROSを生成することが、花粉管の先端成長や受精に重要な役割を果たす(Kaya et al. Plant Cell 2014)。ROS生成を制御することにより、植物の免疫力を高めることを目指した、ケミカルバイオロジーによるアプローチについても紹介したい。一方、イネの花粉発達過程において、葯のタペート細胞でオートファジーが誘導されること、オートファジー欠損変異株は雄性不稔となることを見出した(Kurusu et al. Autophagy 2014)。オートファジーを介した細胞機能の制御についても議論する。

 
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