総合生命科学部 バイオフォーラム2015 開催報告(2015.4.22)

 4月22日15号館15102セミナー室において、総合生命科学部バイオフォーラムが開催され、イスラエル国テルアビブ大学、Shoshana Bar-Nun教授による「タンパク質恒常性と老化」と題した講演、米国ノースウエスタン大学、Richard Morimoto教授による「タンパク質恒常性の生物学:老化・疾患との関わり」と題した講演が、それぞれ行われた。

 Bar-Nun教授は主に酵母をモデル生物として用いた研究について紹介され、単細胞生物である酵母においても老化現象が認められること、またその際、細胞内のタンパク質恒常性がどのように損なわれるか、細胞がどのように応答するかについて、主に小胞体に焦点をあてた解析データを紹介された。
 Morimoto教授は線虫をモデル生物に用いた老化研究を紹介された。線虫においても、老化にともない体組織全体でタンパク質恒常性の低下や、種々の細胞機能の低下が認められる。これらの恒常性・機能低下に対して、これまで個々の細胞レベルで応答が起こっていると考えられてきたが、驚くべきことに、Morimoto教授らは線虫の体組織全体で協調したストレス応答が起こっていることを明らかにした。また、個々の細胞内においてもストレス応答経路のクロストークによ りストレス応答ネットワークが形成されていることを紹介された。

 老化とそれに対する個体・細胞応答に関する先端研究が二題紹介され、講演終了後、それらに共通するメカニズムや老化をどのように理解するかについて活発な討論が行われた。

  • Shoshana Bar-Nun教授

  • Richard Morimoto教授

 
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