総合生命科学部 バイオフォーラム2014 開催(2014.06.27)
最先端の生命科学研究に触れてみませんか
日時 | 2014年6月27日(金) 開場14:30〜 開演15:00〜16:00 |
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場所 | 京都産業大学 15号館1階15102セミナー室 |
交通 | ※キャンパス内に駐車場はありません。公共交通機関をご利用ください。 交通アクセス |
備考 | 事前申込不要・入場無料・一般の方の参加歓迎 |
主催 | 京都産業大学 総合生命科学部 |
家畜におけるボルナ病の疫学
講師
萩原 克郎 教授
博士(獣医学)酪農学園大学 獣医学群
ボルナ病は、1885年のドイツ・サクソニー地方の「ボルナ」とよばれる地域で発生した致死性の神経症状(性格変化・回転運動・後駆麻痺など)を呈するウマの病気である。本疾病の原因ウイルスであるボルナ病ウイルス(BDV)は、エンベロープを有するマイナス1本鎖RNAゲノムのウイルスであり、好神経性に感染する。これまでに、ウマ、ウシ、ネコ及びイヌなどの幅広い温血動物において運動失調、後駆麻痺を呈し脳炎症状を伴ったBD発症例が報告されている。
国内の疫学調査結果から、ウマ、ウシ及びヒツジの中に抗体陽性を示す個体が確認された。抗体陽性個体の多くは不顕性感染であったが、一方で、運動器疾患に罹患し廃用となったウマのBDV抗体陽性率が他の疾患に比較して有意に高いことが示され、多様な症状と関連している可能性も指摘される。ウシにおける調査では、原因不明の起立不能症・行動異常あるいは繁殖障害のBDV抗体陽性率が高かった。本セミナーでは、日本におけるBDVの感染状況と疾病との関連について紹介したい。