第7回 バイオフォーラム2012
最先端の生命科学研究に触れてみませんか
第7回
脱二重らせんの発想から生まれる新しい機能性核酸の発見
核酸(DNAやRNA)が二重らせん構造を形成することが発見されて、半世紀以上が経った。最近では、核酸は二重らせん構造以外にも、多様な構造(例えば、三重らせん構造や四重鎖構造)を形成することが見出されている。このような非標準核酸構造についても、二重らせん構造とともに、その安定性や機能の研究が精力的に進められている。我々はこれまでに、in vitroで生体環境に近い系を構築するため、溶質の分子濃度が非常に高い環境(分子クラウディング)での生命分子の挙動について検討し、核酸分子の高次構造に与える水の活量や金属カチオンの濃度の影響について研究してきた。その結果、分子クラウディングの環境では、一般的にワトソン-クリック塩基対は不安定化し、逆にフーグスティーン塩基対は安定化することが明らかになりつつある。つまり、細胞内環境または細胞内類似環境では、ワトソン-クリック塩基対だけではなく、フーグスティーン塩基対からなる核酸構造も十分に安定であることが示唆された。本講演では、核酸の構造、安定性と機能に及ぼす分子環境の影響を定量的に考察し、今後の新しい機能性核酸の発掘の指針について論じる。
講師
甲南大学先端生命工学研究所(FIBER)所長
フロンティアサイエンス学部(FIRST)教授
杉本 直己 教授
日時 | 2012年12月17日(月) 開場 15:30〜 開演 16:00〜17:00 |
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場所 | 京都産業大学 15号館1階15102セミナー室 |
交通 | ※キャンパス内に駐車場はありません。公共交通機関をご利用ください。 交通アクセス |
備考 | 事前申込不要・入場無料・一般の方の参加歓迎 |
主催 | 京都産業大学 総合生命科学部 |