第1・2回 バイオフォーラム2012
最先端の生命科学研究に触れてみませんか
第1回
概日時計の転写出力システムについて—シアノバクテリアの転写概日リズム制御機構
概日時計は多くの真核生物および原核生物のシアノバクテリア類に見られる生体内システムであり、細胞自律的に一日周期の時間を刻む。時計の時刻情報は遺伝子発現リズム等に変換されて、さらに細胞の様々な生理活性リズムへと出力される。真核生物において、概日時計発振機構は転写・翻訳制御系と強くカップルしており、発振機構と時計の主要な転写出力システムは一体化して考えることができる。一方、シアノバクテリアの概日時計中枢は3つのタンパク質KaiA, KaiB, KaiCからなる自律的化学振動子で形成されており、転写・翻訳系から独立して働くことができる。シアノバクテリアにおいて、Kaiタンパク質時計の示す時刻情報は転写制御系へと伝えられ、多くの遺伝子の発現リズムを引き起こす。本セミナーではKaiタンパク質時計から転写リズム形成へとつながる出力系の分子メカニズムについて最近の成果をまじえて概観する。また、概日振動システム形成に関する進化的な考察も行う。
講師
京都大学大学院 理学研究科 生物科学専攻植物学教室
小山 時隆 准教授
日時 | 2012年5月23日(水) 開場 15:00〜 開演 15:30〜(講演時間:60分) |
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場所 | 京都産業大学総合生命科学部15号館 15102セミナー室 |
交通 | ※キャンパス内に駐車場はありません。公共交通機関をご利用ください。 交通アクセス |
備考 | 事前申込不要・入場無料・一般の方の参加歓迎 |
主催 | 京都産業大学 総合生命科学部 |
第2回
脊椎動物の卵付活の分子機構とその多様性
動物の未受精卵は、受精時の精子からのシグナルによって付活し、胚発生を開始する。どの動物においても卵付活において最も重要なシグナルは精子による卵内Ca2+ 濃度の上昇である。Ca2+上昇は卵と精子の接着・融合時における相互認識の結果であり、卵付活シグナルの普遍性とその変遷を明らかにすることは、生殖隔離の機構を明らかにする上からも重要である。無尾両生類(カエル)では、精子細胞膜上の分子が卵細胞膜上の分子と相互作用して卵付活のシグナルを伝達している。一方、生理的多精の有尾両生類(イモリ)、鳥類、また単精の哺乳類卵では、精子が卵細胞膜と融合後に、精子細胞質中の卵付活因子(精子ファクター)が卵内に導入されて Ca2+上昇を引き起こす。今回、イモリの精子ファクターは、精子特異的なクエン酸合成酵素(CS)であること、さらに卵付活の精子ファクターの多様性と変遷について説明したい。
講師
山口大学大学院 医学系研究科 応用分子生命科学系専攻
岩尾 康宏 教授
日時 | 2012年5月28日(月) 開場 15:30〜 開演 16:00〜(講演時間:90分) |
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場所 | 京都産業大学総合生命科学部15号館 15102セミナー室 |
交通 | ※キャンパス内に駐車場はありません。公共交通機関をご利用ください。 交通アクセス |
備考 | 事前申込不要・入場無料・一般の方の参加歓迎 |
主催 | 京都産業大学 総合生命科学部 |
問い合わせ
京都市北区上賀茂本山
京都産業大学 総合生命科学部事務室
Tel.075-705-1466