第10・11回 バイオフォーラム2011

 最先端の生命科学研究に触れてみませんか

第10回

ゲノミクスのこれまでとこれから

 ゲノミクスは大量の遺伝子情報を俯瞰することで、真理を見出す典型的なEvidence-driven study(証拠主導型研究)です。先入観なく集めた幅広いデータを対象にすることから、客観的で信頼性の高いアウトプットを導き出し、また思わぬ発見に繋がることも多くあります。この10数年DNAマイクロアレイを用いたトランスクリプトミクスや質量分析計を用いたプロテオミクスは、様々な難治性疾患の原因遺伝子や診断マーカー分子群の同定に繋がりました。私が関わってきた免疫学や実験動物学の領域においても疾患モデル動物の病態評価や、遺伝子改変動物の表現型解析にゲノミクスの手法は必須の手法となっています。近年、次世代シーケンサーの普及や新たなテクノロジーの出現により、データ取得のハイスループット化が進む中、どのようにこれらの技術と付き合っていくべきなのか、実例を踏まえて御紹介できればと考えています。

講師

名古屋市立大学大学院
病態医科学講座 病態モデル医学分野
北村 浩 准教授

日時 2012年1月11日(水)
開場 12:45〜
開演 13:15〜(講演時間:60分)
場所 京都産業大学総合生命科学部15号館
15102セミナー室
交通 ※キャンパス内に駐車場はありません。公共交通機関をご利用ください。
交通アクセス
備考 事前申込不要・入場無料・一般の方の参加歓迎
主催 京都産業大学 総合生命科学部

第11回

次世代シークエンサーが切り拓く感染症のメタゲノム学

 近年、DNA配列決定技術の進歩は著しく、2005年より市販が開始された、いわゆる「次世代シークエンサー」は、半日で数百メガ塩基対以上のDNA配列を解読する性能を有します。このような、従来のものに比べて格段の性能をもつDNAシークエンサーの出現は、医学・生物学に革新的なインパクトをもたらすものと予想されます。
 病原微生物の研究においては、従来、大きなコストと多大な手間を要した微生物のゲノム解析がごく短時間に比較的安価で行えるようになり、ひいては新興・再興感染症の病原体の同定や薬剤耐性菌の耐性獲得機構の解明など、感染症対策につながる有用な知見をより迅速に入手することが可能になると期待されます。
 また、現在実用化されている病原体遺伝子の診断法(PCR、マイクロアレイ等)は遺伝子情報が明らかにされた病原体に対してのみ有効であるため、未知の病原体をも網羅的に検出できる技術が求められていました。次世代シークエンサーを新規病原体同定に用いる試みは、現在世界中で急速に進められており、微生物の中でもウイルスはゲノムサイズが最小であることから、その先駆けとなっています。
 私達もまた、次世代DNAシークエンサーを用いて、大規模塩基配列決定による病原体の迅速同定と性状解析、および感染症の診断を目指したシステムの構築を行っています。本講演では、原因不明疾患からの(病原)ウイルス同定例、およびウイルスゲノムの遺伝子多様性と病原性との関連などについて紹介したいと考えています。

講師

京都府立医科大学 医学研究科 感染病態学教室
(前 大阪大学・微生物病研究所・感染症メタゲノム研究分野)
中屋 隆明 教授

日時 2012年1月16日(月)
開場 14:30〜
開演 15:00〜(講演時間:60分)
場所 京都産業大学総合生命科学部15号館
15102セミナー室
交通 ※キャンパス内に駐車場はありません。公共交通機関をご利用ください。
交通アクセス
備考 事前申込不要・入場無料・一般の方の参加歓迎
主催 京都産業大学 総合生命科学部

問い合わせ

京都市北区上賀茂本山
京都産業大学総合生命科学部事務室
Tel.075-705-1466

 
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