松木 亜里紗(2012卒業)
卒業生による講演会・シンポジウム「グローバルな時代にふさわしい職業人をめざして」
講演会を終えて
お客様より担当業務の表彰を受けた際に、
営業部メンバーと。
実は、部長も京都産業大学OBです。
「留学は不安ではなかったですか?」
この講演会で、ある学生の方が質問をされた時、私は過去の自分がその学生に重なりました。新しい環境に心躍らせながらも、自分に自信が持てずに抱く漠然とした不安。状況は違えども、きっと誰もが1度は感じたことのある不安ではないでしょうか。
卒業から3年、現在私は地元福井へ戻り、自動車部品を扱う日本企業で事務職の仕事に就いています。営業部の一員として業務をこなす一方で、役員の秘書業務も任されるようになり、3年目にしてやっと自分らしく仕事に向き合えるようになってきました。今では楽しく仕事をしていますが、私も就職した当初は、新しい生活への期待よりも不安のほうが勝っていました。会社では、海外企業から視察に来られたお客様、どんな理不尽なクレームをつけてくるお客様にもスマートに対応される先輩達、欧米で長年活躍された役員方、経験豊富な方ばかりに囲まれ、必要以上に肩に力が入っていたのかもしれません。些細なミスに落ち込んでは気持ちが切り替えられず、またミスを繰り返し、自信をなくしていました。
そんな私に声をかけてくれた人がいます。若い頃は海外法人で活躍され、今も新しい仕事に精力的に取り組むその大先輩のお言葉に、私はとても勇気づけられました。今まで自分では認めていなかった小さな日々の頑張りを、1つ1つ評価してくださったのです。小さいことであればあるほど「大したことじゃない」と捉えてしまいがちですが、「自分なりに真剣に取り組んだ」ことを自らが認めてあげることで、誰に何を言われても揺るがない自信が芽生えるのだと、教えられた気がしました。
外国語を学び使うこともまた、難しく、時には勇気がいるかもしれません。しかしすでにこのサイトにも多くの留学経験者・卒業生の方々が書き記されているように、その方法は人それぞれです。チャレンジした分だけ、言葉で繋がる楽しさを感じられるでしょう。色々な国の人と交流し、全く違った環境で過ごしてきた人の思いも寄らない意見・価値観を知ることの面白さ。そういった人とも共感し分りあえることの嬉しさ。そして日本の良さを改めて実感し、日本人であることを誇りに思う気持ち。自らの肌で感じるその経験は、とても価値のあるものです。
まだまだ人に何かアドバイスできるほどの社会人ではないですが、1つだけ学生の皆さんにメッセージを送りたいと思います。自分なりに、やりたいこと・目の前のことを思い切りやってみてください。それは理想の自分に近づくための、自分への投資です。「自分なりに」ベストを尽くすことは、時には周囲の人には評価されないかもしれません。でも、決して無駄ではないと私は思います。心から胸を張って頑張ったと言える自信こそが、新たな局面であなたの背中を押してくれるからです。
拙い講演しかできず恐縮いたしましたが、みなさまに温かくお迎え頂き貴重な経験をさせて頂きましたことを感謝しております。この講演会で受けた刺激をモチベーションに変えて、私も新たな企画を社内外に提案していきたいと思います。
ありがとうございました。