中国留学記 杭州大学

杭州大学に留学して

K.M.


留学体験記を書くようにとY先生より依頼されて、アドバイスできることはないか、いったい何を書こうか、と頭を悩ませましたが、私が送ってきた生活を紹介することで、これから留学をしようかなあという人の参考になればと思います。


95年2月から約一年間、私は上海から三時間の杭州というところに留学しました。なぜ杭州にしたのかというと、私が高校生のときから文通をしていたおじさんが紹興の人だったということと、杭州大学の学費がほかの大学に比べて廉かった、ということです。


杭州は、こじんまりとしていて、上海から近いわりにはゴミゴミしていなくて、また適度に繁栄している都市です。西湖に代表されるように風光明媚な観光都市なので、家族や友達がやってきても退屈しない町だと思います。たいていの杭州人は、なまりもきつくないし、(私はかえって北京人の言葉の方が聞き取りにくいと思う。)大丈夫だと思います。物も質のいいものを売っているし心配いりません。


食事については、私はたいてい昼は学生食堂でご飯を買ってきて部屋で食べて、夜は自炊していました。留学したての頃は、毎日のように外食をしてたんだけど、太るし自炊するのが趣味のようになってたので楽しかった。それに、時々市場に行って買い物をするのはいい気分転換になった。お肉はちょっと恐かったのであまり買わなかった。ゴボウはなぜか売ってなかった。中国全土で売ってないのかなあ?でもそこは杭州、西湖で取れるレンコンをキンピラにして食べてました。杭州に行く人は試してみてください。日本のレンコンよりおいしいから。電熱器も含めて、調理器具は中国でも十分そろうけど調味料(醤油、味噌、酢)は、自炊する人もしない人も持っていったほうがいいとおもいます。あと便利なのがクノールなんかの、お湯を注ぐだけでいいスープとか、ふりかけ、レトルトのカレーとか牛丼、中華丼。ふと中国がイヤになったときなんかに食べるとほっとする(と思う)。


勉強について。中国にいったらぜひとも勉強してきてほしいと思います。私の場合、大学の授業が一日にたったの2時間半しかなかったせいもあり、三人の中国人学生に合計週8時間家庭教師を頼んでいました。その時間のうちに彼女たちと色んなことを話したし、色んなことを教えてもらった。また、東北、内モンゴル、チベットなどを旅行して、出会った人たちから中国語を通して、その土地の風習、文化、歴史などを紹介してもらえた。実際その土地に立って「昔こういうことがあったんだよ・・・」と教えてもらうと、その土地の空気も手伝ってなんとも言えない気分になったことがあった。中国語がわかるせいで、変な中国人に付き纏われたり、求婚されたり、トラブルにあったこともあるけれど、それもいい経験だと思う。こうして留学中に得た知識は、本を読むことでは得られない貴重なものとなるだろうし、生涯の財産になると思うので、私は中国語を勉強してきて良かったと思います。これから中国に留学しようという人は、私以上にそう思えるような経験ができるよう、頑張って中国語の勉強をしてきてください。


自分の思うままに簡単に言葉を並べてきましたが、果たして皆さんの参考になったかどうかはわかりません。中国について、もっと言いたいことが山のようにありますが、それは皆さんが実際に中国に行って感じてきてください。最後に、遠き煙台(山東)より皆さんの留学の成功を祈っています。

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