Vol.101 空手道部 中江 真矢さんインタビュー

2017年5月17日(水)から22日(月)マカオにて行われた
「第7回東アジアシニア空手道選手権大会」で、
日本代表として出場し、見事女子個人組手、
女子団体組手ともに優勝した中江真矢さんにお話を伺いました。

第7回東アジアシニア空手道選手権大会にて、個人・団体共に優勝おめでとうございます。東アジアシニア空手道選手権大会とはどのような大会ですか?

空手道部 中江 真矢さん(経営・3年次)
名前の通り、東アジア圏の国際大会です。各階級に各国代表が1人ずつ出場します。私の場合は、選考会で日本代表メンバーに選抜されたのと同時に、今大会の出場が決まりました。

今年、日本代表のナショナルチームに選ばれたのには、何が決め手だったと感じられていますか?

モチベーションの違いかなと感じています。もともとネガティブ思考で、「勝てるのかな」と少し不安な気持ちを抱えながら試合に挑んでいたのですが、今回のナショナルチームの選考会は「入れるなら今しかない!絶対に入りたい!」という強い気持ちで臨みました。3年後のオリンピックに刺激され、チャンスは今しかないと思いました。少し不安な気持ちもあったのですが、父親から「1番強く願った人が入れる」と言われ、ポジティブ思考に切り替えることにしました。また、日々の練習の効果もあり、自信を持って大会に臨むことができたのが、良い結果に繋がったのかなと思います。
左:中江 真矢さん

今回、初の日本代表として出場されましたが、緊張されましたか?

試合に臨む前の中江さん
とても緊張しました。大会に出場する際も緊張しましたが、選考会後、名前を呼ばれ、選抜されたと分かった瞬間が一番緊張しました。選ばれた嬉しさと同時に、日の丸を背負って戦う日本代表になったのだと、改めて責任の重さを感じました。気を引き締めて頑張らないといけないなと思いました。大会当日は緊張をほぐすためにも、直前までアップをして動いていました。そうすると気持ちも落ち着いて、試合に集中することが出来ました。

海外と日本との違いは感じましたか?

プレースタイルに違いを感じました。空手(組手)の場合、上段(顔)の蹴り3点、中段(お腹)の蹴り2点、突き1点というルールで、日本の場合は、例えば、ポイントは大きくなくても、狙いを定めて打つ、突き技で確実に点を取りにいくスタイルが多いのですが、海外はとにかく点数の高い蹴り技が多く、「質」は日本人選手の方が高いと感じましたが、逆に日本人選手にはあまりいないスタイルが多いと感じました。

なるほど。「質」を重視するとなると、普段の練習はどのように行っているのですか?

空手を始められた頃の中江さん
普段のトレーニングでは、「取り合い」と言ってポイントを確実に取るための練習をすることが多いです。狙いを定めて打つスタイルだと、攻めて終わりというより、2手3手先までの転回を考えて戦略を練ります。ただ、じっくり考える時間はないので、条件反射で、自然と動けるようになるよう、きめ細やかな練習を積み重ねる必要があります。また、攻撃だけでなく、防御の練習も重要です。ただ攻撃するだけだと相手に読まれてしまうので、変化をつけたり、瞬時に判断して、打つところを逃さず捉えることが大切です。今は身体が覚えているので、相手の目を見て判断していますが、まだまだ練習を積み重ねて、積極的に動けるようにしないといけないと思っています。

練習が大変だと感じることはありますか?

左:荒賀 龍太郎コーチ
高校生のときよりも今の方が練習時間は短いのですが、練習の濃さが違うので、正直大変です。高校生のときはがむしゃらに練習していましたが、今は考える時間も増え、指導して頂いたことは、自分の型に合うように工夫し、バリエーションを増やしていく必要があることが分かったので、身体だけでなく、非常に頭を使って練習をしています。それがスムーズに行かなくて、大変だと感じることがあります。でも大変だからこそ、日々自分の成長を感じることが出来ますし、それをこなしていったから、この日本代表にも繋がったのだと思います。指導者の方は、様々な角度から観察し、アドバイスをくださるので、自分自身、成長していることを実感しています。本学の空手道部で空手が出来ていることを感謝していますし、とても嬉しく思っています。

本学空手道部の卒業生には、荒賀 龍太郎コーチをはじめ、多数の日本代表に選ばれた選手がいますが、影響を受けられたことは?

同じ練習に取り組む仲間に、そのような目指すべき先輩たちがおられた影響はかなり大きかったです。経験豊かで実績のある先輩たちに「絶対いける!大丈夫!」と励まされると、とても自信に繋がり、やる気になります。特に荒賀コーチは、世界チャンピオンになられた本当に強い方なのに、今も練習を怠らず、努力を重ねられている姿は尊敬しています。試合のときも、荒賀コーチに言葉をかけていただくと、スイッチが入り、不思議にスムーズに動けるようになり、積極的に戦うことが出来るので、とても頼りになるコーチです。でもこれからは、そのスイッチを自分で入れられるようにならなければいけないと思っています。

今後の目標は?

偶然通りかかった友達のチアリーダー部藤花くん
全日本大学空手道選手権大会で優勝することです。女子の団体で優勝を勝ち取りたいですね。今までは、姉妹や従妹の中でも1番年下で甘えてばかりいましたし、クラブでも下級生で先輩に頼ってしまっていましたが、これからは上級生として、後輩が思いっきり試合に臨めるよう、頼りがいのある先輩にならなければいけないという自覚が出てきました。そのためには、競技の技術面だけでなく、ネガティブ思考であるメンタルを強化することにも力を入れていきたいです。

東アジアチャンピオンとは思えないほど、無邪気で素直な中江さん。インタビュー中も終始キュートな笑顔で答えてくれました。7/2(日)には大阪の舞洲アリーナにて第61回全日本学生空手道選手権大会が行われます。中江さんを始め、本学の空手道部に期待です!

(2017.06.14)【写真提供:公益財団法人全日本空手道連盟ほか】

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