京都産業大学 特別座談会

特別座談会

学びや出会い、成長の場を提供 多様な学生が集う一拠点総合大学

京都産業大学(京都市)は文系・理系の全10学部が一つのキャンパスに集約された日本最大規模の一拠点総合大学です。多種多様な学生たちに学びや出会い、成長の場を提供し、卒業生の多くが各界各分野で存在感を示しています。今回、読売テレビのアナウンサーとして活躍し、現在は現代社会学部の教授を務める脇浜 紀子氏と、京産大の卒業生で現在県内で活躍している、女性向けマーケティング調査などを行うウーマンスタイル(金沢市)の成田 由里代表(1991年卒)、テレビ金沢の越崎 成人アナウンサー(2013年卒)の3人が金沢市内で在学中に経験し感じたこと、また現在の大学の取り組みなどを語り合いました。

各界各分野で活躍する人材

越崎:私は京産大を卒業してから地元の石川県で就職し、もうすぐ10年になります。取材現場などで卒業生の方に出会う機会は少なくありません。成田さんも先輩ですね。

成田:はい。私は卒業後にオリックスに入社し、IT企業での勤務経験もあります。夫の転勤で広島に移ったとき、マーケティングの仕事に携わったのをきっかけに、自分でもやってみようと2008年にウーマンスタイルを起業しました。

越崎:脇浜教授の経歴も教えてください。

脇浜:私は早くからメディアのデジタル化に関心があり、読売テレビ在籍中にロサンゼルスに留学したこともあります。その後もアナウンサーをしながら大阪大学で学び、博士号(国際公共政策)を取得しました。メディアのデジタル化を外側から進める立場に回りたいと考えていたところ、京産大の教員の募集があり、2017年から現在の立場となりました。

脇浜 紀子
現代社会学部 教授
読売テレビ放送株式会社 編成局コンテンツビジネスセンターコンテンツ事業部副部長を経て、現在は京都産業大学・現代社会学部教授。国際公共政策博士
成田 由里氏
ウーマンスタイル代表
京都産業大学卒業後、株式会社オリックスに入社。その後女性マーケティング会社を経て、現在、女性の多様な働き方を支援する株式会社ウーマンスタイル代表
越崎 成人氏
テレビ金沢アナウンサー
石川県出身。金沢桜丘高校を経て、京都産業大学に進学。卒業後、株式会社テレビ金沢入社。現在アナウンサーとして「となりのテレ金ちゃん」MCや、スポーツ実況などを担当。

交流で刺激受け目標見つける

越崎:私が持つ大学のイメージはとにかく広い、巨大ということです。調べてみると、広さは甲子園球場16個分以上で、学生数は1万5千人です。この全10学部を擁するワンキャンパスを舞台に、さまざまな専門性を持つ学生と交流できることが魅力で、多種多様な学生たちと関わり合い、刺激を受ける中で、私も将来の目標を見つけることができたと思います。

成田:キャンパスは自然豊かな環境で、とにかく活気がありますよね。当時、私の周りには体育会系の元気な学生がたくさんいました。スポーツに強く、部や選手の活躍を伝える垂れ幕が、毎週校舎に出ていましたね。

脈々と引き継がれる神山スピリット

脇浜:京産大生の気風は「神山(こうやま)スピリット」と表現されています。「明朗公正で、やり始めたことは最後までやり抜く」。キャンパス近くの賀茂別雷(上賀茂)神社の神域「神山」が由来で、素晴らしい環境で学ぶ学生たちにはそんなメンタリティーが培われる。美しい景色に囲まれた地域を見渡せるキャンパスで学ぶことで、物事を俯ふ瞰かんする視野が養われ、落ち着いて、大局的に考えることができます。このキャンパスを「桃源郷」と評する卒業生もいますよ。

越崎:「神山スピリット」が自分にもあるかどうかは分かりませんが、以前に警察の取材でぐいぐいとやっていたら、後になってから警察幹部に「やっぱりな。俺も卒業生だ」と言われたことがあります(笑)。

脇浜:大学で教えていると、ポジティブで行動力のある学生が多いと実感しますね。オープンキャンパスを運営するキャンパスツアースタッフを募るのですが、応募が多くて採用は毎回オーディション制なんです。こんな大学はないと思います。
メディアなどを専門とする私のゼミ生たちは現在、卒業制作で京都の魅力を伝える動画づくりに取り組んでいます。互いにアイデアを出し、やりたいことを提案する。決して指示待ちではありません。今の学生は入学以来、コロナ禍で制限を受け続けているわけですが、失われた青春を取り戻すかのように情熱的に打ち込んでいますね。

成田:私のころは芸人の道に進んだり、面白くて明るい学生がたくさんいました。元気な京産大生は健在ですね。

起業の志、全学部で支える、アントレプレナー育成が始動

成田:私は一度は京都に住んでみたいという憧れがあり、京産大への進学を決めました。専門的な勉強をはじめ、一人暮らしで感じた親のありがたさ、アルバイトなど、経験と刺激にあふれた日々でした。現在の大学はどんな雰囲気ですか。

脇浜:政府は、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する「Society(ソサエティー)5・0」を提唱しています。社会の変化が進む中、各大学にはイノベーションを生み出す人材、世界で課題解決に向けて行動できる人材の育成が求められています。
そうした中、京産大ではデジタルを核とした教育モデルの変革に力を入れています。その一つが今年度に文部科学省の「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)」で認定を受けた授業「データ・AIと社会」です。決められた時間に教室にいなくても受講可能な遠隔の授業であり、全学部の学生が受講できる文理融合の科目として産業界からも注目されています。
今後の動きとしては来年4月に「アントレプレナー育成プログラム」を始動します。ワンキャンパスの特色を生かし、10学部全てが参画し、文系理系問わず全ての学生の起業にかける思いに応えます。授業は対面で行い、知識の獲得だけでなく、起業志向の学生が一堂に会することで相互に刺激を得る場となります。また、起業のためのビジネススキルの習得については、デジタルコンテンツを活用し、学生の成長を最大化する起業家育成教育を実現します。

成田:すごいですね。文系も理系も関係なく全学部生が対象というのも興味深いです。もう一度、京産大に通いたくなりました。

充実のキャリア・就職支援

成田:気になるキャリア・就職支援の体制について教えてください。

脇浜:スタッフの数は50人で、全国トップクラスの体制です。キャリアコンサルタントの有資格者、民間企業の採用担当経験者が含まれ、学生一人一人の相談に親身に対応します。多い日は1日に100件以上の個別相談がありますよ。

成田:京産大より規模が大きい大学でもそこまでのサポート体制はありませんよね。

脇浜:就職ガイダンス、学内企業セミナー、個別セミナーなど支援イベントは年間1300回を超えます。また、就職活動を終えた4次年生が「学生就職アドバイザー」として後輩を支援しており、これは今年で23年目と好評を博しています。
特に「学生就職アドバイザー」主催の伝統行事である「就活祭」が目玉。卒業生アドバイザーによるOB・OG訪問会をはじめ、学生就職アドバイザーによる模擬面接などさまざまな支援事業が行われます。今年度の就活祭は来年2月に開催予定です。

成田:私も現在、地元で仕事をしていますが、UIJターンを考える学生へのサポートはどうですか。

脇浜:京産大と就職協定を結ぶ各都道府県の担当者を招いた合同相談会を開催しています。今年の11月には大学で北陸三県合同の「北陸UIJターンセミナー」を初開催しました。在学生約40人が参加し、1、2年次生の姿もありましたよ。参加した各企業の担当者も卒業生で、会場には熱気が充満していました。

可能性にチャレンジを

越崎:私がマスコミの道に進んだのも、考えや趣味、指向が違う仲間たちから刺激を受けたからだと思います。やはりワンキャンパスは京産大の魅力でしょうね。今はまだ、やりたいことが決まっていない学生もいるでしょうが、色んな可能性にチャレンジしながら、将来の目標を見つけてほしいと思います。

成田:京都は落ち着いた雰囲気で、学生数も多く、勉強する場所としては、魅力的な土地です。その中でもチャレンジ精神旺盛な学生が多い京産大に身を置くことは、その後の人生にきっとプラスになりますし、私自身そのことを実感しています。

脇浜:世界における京都の知名度はパリなどに通じるものがあり、文理10学部、一拠点総合大学の京産大ではさまざまな分野の授業が横断的に学ぶことができる。京産大で4年間を過ごすことは素晴らしい経験となるはずです。

※掲載内容は取材当時のものです。
北國新聞掲載:2022年12月20日


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