私立大学で唯一採択!平成27年度科学研究費助成事業
大型研究種目「特別推進研究」交付決定

 我が国の代表的な競争的研究資金である科学研究費助成事業(科研費*)のうち採択課題数が極めて厳選された大型研究種目「特別推進研究」に総合生命科学部・遠藤斗志也教授の応募課題が、平成27年度の新規採択課題14件(東京大学8件、京都大学2件、東北大学・名古屋大学・大阪大学・京都産業大学 各1件)の1つに選ばれました。

 特別推進研究は、「国際的に高い評価を得ている研究をより一層推進するために、研究費を重点的に交付することにより、格段に優れた研究成果が期待される一人又は比較的少人数の研究者で組織する研究計画」を対象とし、3年から5年間の研究期間で5億円程度の規模により公募される大型研究種目であり、今回の採択を受けて遠藤教授は平成27年度から平成31年度の5年間、当該課題の推進に従事されます。

科研費「特別推進研究」平成27年度〜平成31年度

「ミトコンドリア生合成を司る細胞内統合的ネットワークの解明」

総合生命科学部 教授
遠藤 斗志也

大阪府立大手前高校を経て東京大学理学部生物化学科入学、卒業。東京大学大学院理学研究科生物化学専攻博士課程修了。群馬大学工業短期大学部工業化学科助手、スイスバーゼル大学研究員、群馬大学工業短期大学部工業化学科助教授、群馬大学工学部生物化学工学科助教授、名古屋大学理学部化学科助教授、同大学教授を経て、2014年より京都産業大学総合生命科学部教授。

研究分野

 分子細胞生物学、構造生物学

研究概要

 ミトコンドリアは、細胞の中で生命活動に必要なエネルギーを作り出す、重要な小器官(オルガネラ)です。健康なミトコンドリアの維持は私たちの健康にも重要です。ミトコンドリアを維持するためには、ミトコンドリアを構成するタンパク質や脂質をミトコンドリアに常に供給する必要があります。さらにミトコンドリアは単独で働くのではなく、他の小器官との間で脂質をやりとりするなど、構造的にも機能的にも連携して働くことがわかってきました。本研究では、タンパク質や脂質を、他の小器官と連携しつつ取り込み、ミトコンドリアが作られる仕組みと、その各プロセスを実行し、調節する様々な因子が作る細胞内ネットワークを明らかにすることをめざしています。

遠藤教授コメント

 40億年間、地球上のすべての生物の細胞は、生命誕生時を除けばゼロから新たにつくられたことは一度もなく、常に既存の細胞の複製によって受け継がれてきました。細胞の複製には、ゲノムDNAに書き込まれた部品作成の情報と、細胞構造に書き込まれた部品の組み立て方の、2つの基本情報が必要です。ゲノムについては膨大な情報が得られていますが、ミトコンドリアなどの細胞構造に書き込まれた設計情報については、まだ多くが未解明です。細胞の組み立て方の仕組みを解き明かすことと、それに基づいてミトコンドリアを、そして最終的には細胞をつくりだすこと、これは生命科学の究極の目標の1つと言えるでしょう。

科研費(科学研究費助成事業)
科学研究費助成事業(科研費)とは、大学などにいる研究者の自由 な発想で取り組まれている研究を、研究費の面からサポートしている制度です。実際に研究を行っている研究者が審査員となって毎年、 約10万件もの応募の中から、3万件ほどの研究が選ばれています。 平成27年度の科研費の予算額は約2,273億円になり、文学や歴史 から自然科学まですべての分野で研究活動を支えています。

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