【報告】STAR-T:第2弾 東北ボランティアバス・プロジェクト報告会

 前回6月に引き続き、学生団体「STAR-T」と本学との協働により、東北ボランティアバス・プロジェクト第2弾が9月7日〜10日に実施されました。今回は、学生24名、ボランティアセンター職員1名が参加し、宮城県気仙沼市での復興支援ボランティアを行いました。9月25日(火)には、今回のプロジェクトに参加した学生による報告会が行われ、夏休みを利用して自ら東北に行った学生や9月のプロジェクトには参加できなかったが東北への関心を持っている学生など、さまざまな学生が参加しました。

 報告会は、初めにボランティア数の減少、孤独死や復興住宅の不足、ガレキが撤去されても残る“回収されたガレキ”の山など、復興とともに移りゆく現地のニーズや新たに生みだされる問題が統計から明らかにされ、私たちの知らないところで未だに続く東日本大震災の現状が伝えられました。

 続いて、今回の活動内容が報告され、参加した学生2名が活動をとおして感じたことを発表しました。今回は、現地の苺農家からの依頼により、ビニールハウスでの苺の苗植え作業を手伝いました。「栽培面積の9割ほどのビニールハウスが津波で流された」ことや「以前は、農作業のアルバイトを雇えていたが、今はアルバイトを雇うことができない」といった現地の農業の被害状況や農家の現状が報告されました。また、参加した学生の報告からは、「当初は回収されたガレキを見て、復興を感じていたが、2日間現地にいて、だんだんと被害の大きさや復興はまだだ、という思いに至った」、「現地に行き、自分の目で見ることができたから感じ取れた。実感し理解を深めることができた」と行動することで得られるものや深められる理解など、体験することでの気づきが語られました。また、「求められることが変化していっても、自分たちにやれることはまだまだある」、「自分たちができることは小さなことだったが、みんなでやったこと、一つ一つ積み重ねていくことで大きなビニールハウスの苗植えを完成させることができた。同じように、自分の将来の目標に対しても1歩1歩進んでいけば、どれだけ大変なことでも近づいていける。積み重ねていくことが大切だと実感した」など、これからの自分たちの生活や活動への可能性に関する発言もみられました。

 その後、報告会の参加者も含め、6グループに分かれ、「自分が被災者になったら、どうする?どうなる?」「次の震災に向けて今の自分ができること」という2つのテーマに関して、意見交流を行いました。グループでは、実際に震災が起きたとき、思ったように行動できるのかという不安や起きてみないと分からないという意見が聞かれた一方で、家族との連絡方法を話し合うなかで携帯電話が使えない状況を想像し、機器に依存した今の生活への気づきや、家族を失うことの精神的な苦しみを考えると、家族のために生きのびないといけないという思いを強く持ったことなどが挙げられました。

 最後に、学生団体「STAR-T」を立ち上げた学生から、「新聞などの知識でみる東北ではなく、自分の足でみる東北」となるキッカケをこれからも大学とともに、継続的につくっていきたいとの抱負が語られました。

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