「災害ボランティア講座~災害支援における人権への配慮~」開催報告
2025.03.06
日本各地で発生している災害は、地震や台風だけでなく、大雨や火災などが大きな被害をもたらすこともあります。被災すると、私たちの日常は失われ、あっという間に危機に陥ります。そのとき、障害者、高齢者、子ども、女性、外国人など社会的弱者はさらに厳しい状況に追い込まれます。こうした極限状況、とりわけ長期化する避難生活で、さまざまな人権侵害が起きる事例が数多く報告されています。
今回は、「人権」をテーマに、過去の災害で起きてしまった人権侵害の事例から、私たちが図らずも当事者になってしまわないようにするにはどうすればいいか、そのための備えとして何が必要かなどについて実践的に学ぶ「災害ボランティア講座」を開催しました。
今回は、「人権」をテーマに、過去の災害で起きてしまった人権侵害の事例から、私たちが図らずも当事者になってしまわないようにするにはどうすればいいか、そのための備えとして何が必要かなどについて実践的に学ぶ「災害ボランティア講座」を開催しました。



開催概要
日時 | 2024年12月11日(水)13:15~14:45 |
---|---|
会場 | サギタリウス館4階 S415教室 |
講師 | 認定特定非営利活動法人レスキューストックヤード 浦野 愛 氏(オンライン登壇) |
参加者数 | 30人 |
今回の災害ボランティア講座では、さまざな災害支援の現場の最前線で活躍されているレスキューストックヤードから、浦野 愛さんをゲストにお招きし、過去の災害支援のご経験から、発災直後に被災した地域にどのようなことが起きるのか、その危機をどのように乗り切ってきたかを豊富な事例とともにご紹介いただきました。
とくに避難所が立ち上がるフェーズにおいては、トイレの管理運営や避難者が過ごすスペースの安心・安全の確保が重要なポイントとなるという話がありました。極限状況においては、あらかじめ、トイレを使用するにあたってのルールを決めておかないと、あっという間に混乱状態となってしまうこと、加えて、居住スペースの寝食分離、土足禁止など、衛生面を重視したルールを決めることが大切であり、日頃から災害を想定した訓練を行い、どのような物資をあらかじめ準備しておく必要があるか、その必要性を強く実感させる内容でした。
さまざまな困りごとを抱える避難者の情報をいち早く集め、それらのニーズに対応した避難所を運営するにあたっては、発災してからではすでに遅く、ふだんのコミュニケーションと日常的な備えが欠かせません。また、災害という極限状況の中にあっても、避難所が提供しうる資源と、利用可能な社会資源、また避難者自身が運営に参加することで当事者意識を獲得していくことなどにより、多様性に配慮し、円滑な避難生活ができるということを改めて実感することができました。
とくに避難所が立ち上がるフェーズにおいては、トイレの管理運営や避難者が過ごすスペースの安心・安全の確保が重要なポイントとなるという話がありました。極限状況においては、あらかじめ、トイレを使用するにあたってのルールを決めておかないと、あっという間に混乱状態となってしまうこと、加えて、居住スペースの寝食分離、土足禁止など、衛生面を重視したルールを決めることが大切であり、日頃から災害を想定した訓練を行い、どのような物資をあらかじめ準備しておく必要があるか、その必要性を強く実感させる内容でした。
さまざまな困りごとを抱える避難者の情報をいち早く集め、それらのニーズに対応した避難所を運営するにあたっては、発災してからではすでに遅く、ふだんのコミュニケーションと日常的な備えが欠かせません。また、災害という極限状況の中にあっても、避難所が提供しうる資源と、利用可能な社会資源、また避難者自身が運営に参加することで当事者意識を獲得していくことなどにより、多様性に配慮し、円滑な避難生活ができるということを改めて実感することができました。
参加者の感想(アンケートより抜粋)
最も印象に残ったことは?
- 支援をしてもらう側は自尊心が傷付き、とても辛いということ。また、支援する側は、気付く力、整える力、聴く力、つなぐ力が必要だということに気付かされました。
- 物資があったとしても、どう使えばいいかわからない、ということがあるということが印象に残った。できないことがあったとき、その理由は物資がないということだけではないと知り、災害が起こった際に冷静に対処できるように備える必要があると感じた。
- ダンボールベッドが環境にも緊急時にも良いこと。ダンボールが人間の体重に耐えられることに対しても画期的だと思った。
- 避難生活は、1カ月も経ってくると、周りの人との関係がぎくしゃくしたり、いろいろ過ごしにくいことがたくさんあること、子どもだちにとどまらず、みんなの精神状態が悪くなってしまうこと、過ごしにくいことがたくさんあることで私が思っていた以上にストレスが溜まってしまうこと。
自分が被災した際に想定されるリスクは?
- 寒がりなので、今の寒い時期に被災者になったとき、暖が取れなくなること。一人暮らしなので、もしも電気が止まって使えなくなってしまったとき、充電がなくなると家族に連絡も取れず不安になると思う。
- 避難場所でプライバシーを守るためにパーテーションがほしい気持ちもわかるが、完全に分けきってしまうと閉鎖的になってしまい、人との関わりが減ったり、何かあったときにすぐ気付けなかったりするリスクがあると思った。
- 知識がないこと。それにより、初動が遅くなり、いつまでも他人事のように受け身の体制になってしまうと思う。
- 実家から離れ、京都で一人暮らしをしているので、身近に頼れる大人がいないことがリスクとなりうると思う。
自分にできる支援・配慮は?
- 少しでも不安を和らげられるよう、話し相手になったり、明るい声かけをしたり、介助が必要な人の助けに少しでもなろうとすることができる。
- 周りの人の様子を見たり、関わりを持ったりすることで、孤独感をなくし、何かあったときにすぐ気付けるようにする。
- 避難者とのコミュニケーションを大切にし、彼らのニーズや要望を積極的に聞き入れる姿勢を持つ。大学にある物を利用して、プライバシーの配慮等の問題を軽減する。ゲームなどを提案して、避難してきた人たちの不安やストレス、運動不足を解消する。
- 避難者の方々と会話をし、少しでも緊張やストレスを緩和することができると思う。また、大学の構造を知っていることを生かして、支援物資を少しでも早く被災者に届けることができると思う。
- お問い合わせ先
-
京都産業大学 ボランティアセンター 13号館B1階
〒603‐8555 京都市北区上賀茂本山
Tel.075-705-1530
Fax.075-705-3191
開室時間
平日:9:00~16:30(13:00~14:00を除く)
土曜:9:00~11:45※不定期に閉室することがありますので、事前にお問い合わせください。
日曜・祝日:閉室
volunteer-support@star.kyoto-su.ac.jp