「2024(令和6)年能登半島地震 第2回現地ボランティア」活動報告
2024.10.01

「2024(令和6)年能登半島地震 第2回現地ボランティア」実施概要
日程 | 2024年8月23日(金)~8月26日(月) |
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活動場所 | 石川県輪島市・鳳珠郡能登町 |
宿泊先 | 浄土真宗大谷派奥能登ボランティアセンター |
活動内容 | 夏祭りのお手伝い・被災家屋の片付け |
参加者数 | 学生6人+引率スタッフ1人 |
活動内容
8月23日(金)
まず輪島市に向かい、「輪島夏祭り」のお手伝いをしました。夏祭り会場である輪島キリコ会館では、展示されていた巨大な灯篭「キリコ」が地震の影響で倒れたままになっており、その現場を見学しました。その後、夏祭りの舞台の設置や炊き出しとして行われている屋台の運営をサポートしました。学生たちは、猛暑の中、トウモロコシや飲み物を配布したり、会場周辺の警備などに取り組んだりしました。近隣の仮設住宅などから多くの方がお越しになり、あっという間に準備されていた食べ物・飲み物は完売となりました。
夜は、地元の輪島高校の生徒たちが取り組んだ花火の打ち上げを見ながら、被災された住民の方々、ボランティアとして全国から集まった方々と交流する機会となりました。


8月24日(土)
2日目の午前中は、能登町を視察しました。能登町は輪島市、珠洲市に比較して報道などでも取り上げられることが少なく、なかなか現状を見てもらう機会がないということで、こうした時間を設けていただきました。
地震により、大きく崩れてしまい、いまだ通ることができない道路や漁港に打ち上げられてしまった漁船を見学しました。「イカ釣り漁船は、1隻1億円ほどするからな。でも、もう使えん。」という説明に、生業を奪われた漁師さんの心情を感じ、言葉を失いました。また、津波により大きな被害を受けた白丸地区では、1階部分が完全に抜けてしまった家屋や郵便局を目の当たりにし、被害の大きさを改めて実感しました。
午後からは、恋路地区で、被災した家屋から家財の運び出しを行いました。タンスや学習机など、思い出の残る家財を傷つけないよう梱包し、丁寧に運び出すことができました。休憩の際に、この家がかつて民宿を営んでいたこと、多くの観光客が訪れた時代の話など、地域の歴史をお伺いすることができました。
夕方には、珠洲市の沿岸部の被災地を視察しながら、「海兵あみだ湯」を訪問し、入浴しました。珠洲に移住した若者が継業し、憩いの場として守ってきた地域の銭湯で汗を流しながら、地域に根差した取り組みについて伺う機会となりました。


8月25日(日)
午後からも雷雨は続き、ずぶ濡れになりながら、冷蔵庫などの家電や束ねた本、陶器のつまった袋など重量級の荷物をトラックに積み込み、処分場へ運びました。一軒の家でも片付けるのにこれだけの労力がかかるということを身をもって体験し、学生たちはこれから続く復興への道の遠さを感じていたようです。


8月26日(月)


参加した学生の声(振り返りシートより抜粋)
印象に残ったエピソードとそのときに感じたこと
8月23日夜の振り返りより
- 実際に崩壊している家や盛り上がった道があるのを見て、想像していたより、被災したときのままだった。
- お祭りのお手伝いで、交通整備をしに行った際、倒れている家屋を見た。まだまだ復興には時間がかかりそうだと思った。復興のお手伝いをしたいと思った。
- 地元の高校生たちがクラウドファンディングで集めたお金で、花火の打ち上げが行われた。美しい花火を見たとき、とても感動した。そして、力を合わせて花火大会を達成した高校生への賞賛の気持ちがわいた。
8月24日夜の振り返りより
- 地元の議員さんが、それぞれの地域で何があったか、現在どのような状態か、どうしてこのような被害にあったのかを一つずつ丁寧に教えてくださった。それぞれの場所ごとの説明を実際の場所に行って聞き、ただ写真を見て起きたことを学ぶより、強く印象に残ったし、現状を深く実感できた。
- 片付けが一段落してお家の方と少し話しているときに、震災当初の話を聞くことができた。体験談を聞くことで、震災をリアルに感じ、改めて地震の怖さを痛感した。
- 写真整理をしていたとき、成人式の写真を本当に捨てていいか聞いてみたところ、捨てずに残す選択をされた。捨ててしまった後に後悔してほしくないと思ったので、聞いてみてよかった。
8月25日夜の振り返りより
- お家のものを整理しているとき、最初は「もう全部捨ててください」とおっしゃっていたが、「これはどうしましょうか?」「本当に捨ててもいいですか?」と聞いてみると、「やっぱりおいとくか」という返事が返ってきた。地震でぐちゃぐちゃになったから捨てようと思っても、やはり思い出のものは捨てたくないのだろうと感じた。思い出との整理に時間は必要だと思った。
- 手つかずだったお宅の片づけを手伝った。一つ一つの物に大切な思い出があり、大事にしないといけないと思った。片付けの活動のときも、ただ捨てるごみだと思わず、大切な思い出が詰まった物だと認識しながら、丁寧に扱わないといけないと思った。
- 処分場で軽々と荷物を運ぶおじさんたちがいた。驚きと頼もしさを感じ、この方たちはどこの人だろうと思っていたら、漁師さんだった。
実施にあたり、情報提供等でご協力をいただきましたDWAS(災害ソーシャルワーク学生ネットワーク)の皆さま、また、宿泊場所でお世話になりました浄土真宗大谷派奥能登ボランティアセンターの皆さま、ありがとうございました。
また、能登町の被害の様子をご案内いただきました能登町町会議員の小路 政敏さま、作業したお宅の方々には、地震がもたらした影響、その後の町の様子などをお話いただいたり、作業に際して色々とお心遣いいただき、大変感謝申し上げます。
発災後8カ月近くが経ち、倒壊した家屋が解体され、また仮設住宅への入居も進む中であっても、能登半島の復興に向けて、これからも継続的な支援が必要とされていると感じました。地震により傷つき、それでも復興への歩みを進める奥能登被害に思いを寄せ、引き続き私たちにできることを考え、取り組んでいきたいと思います。
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