「2024(令和6)年能登半島地震 第1回現地ボランティア」活動報告
2024.09.04
ボランティアセンターでは、2024年1月1日に発生した石川県能登地方を震源とする地震により、大きな被害を受けた石川県での支援活動として、鳳珠郡能登町にて家屋の片づけを行う災害ボランティアプログラムを実施しました。
「2024(令和6)年能登半島地震 第1回現地ボランティア」実施概要
日程 | 2024年6月21日(金)~6月23日(日) |
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活動場所 | 石川県鳳珠郡能登町 |
宿泊先 | 浄土真宗大谷派奥能登ボランティアセンター |
活動内容 | 被災家屋の片づけ |
参加者数 | 学生12人+引率スタッフ2人 |
活動内容
6月21日(金)
1日目は京都駅に集合し、金沢に向かいました。金沢駅からバスに乗り、能登町に移動しました。復旧が進む里山海道で奥能登に向かう道の途中、ブルーシートがかかった屋根や倒壊した家屋が少しずつ増えていく街の様子に、学生たちは地震の被害を実感していたようでした。
宿泊地である「浄土真宗大谷派奥能登ボランティアセンター」に到着した後、オリエンテーションとして、ご住職から現地の被害状況や奥能登の地理的特性のお話を伺い、また、学生同士のディスカッションにて、災害ボランティアにおける心構えやリスクマネジメントについて、改めて確認を行いました。
宿泊地である「浄土真宗大谷派奥能登ボランティアセンター」に到着した後、オリエンテーションとして、ご住職から現地の被害状況や奥能登の地理的特性のお話を伺い、また、学生同士のディスカッションにて、災害ボランティアにおける心構えやリスクマネジメントについて、改めて確認を行いました。
6月22日(土)
2日目は、梅雨の晴れ間の中、能登町松波地区、恋路地区の2班に分かれ、それぞれ被災した家屋の片づけ作業を行いました。活動の前に、松波地区の被害の様子を視察しました。松波地区では、強い揺れと液状化により倒壊、損傷した家屋が並んでおり、屋根だけを残して倒壊した家を目の当たりにした学生たちは言葉を失っていました。
今回、支援に訪れた松波の民家は、倒壊は免れたものの、震度6強の揺れと度重なる余震により住み続けることができなくなり、解体に向け荷物の整理・片づけが必要なことから、学生6人、引率職員1人が入り、荷物の運び出しや仕分けを行いました。震災直後の様子を生々しく残す家屋内の様子から、当日の住民の恐怖に思いを馳せながら、作業に取り組みました。恋路地区でも同じく、学生6人、引率職員1人が入り、地震により建物に大きな損傷を受けた民家の荷物の運び出しを行いました。タンスなど大きな家財を建物から運び出してはトラックに積み込みました。当初は運び出し不可能と判断していた大型のタンスを何とかして運び出す方法を皆で検討し、窓を外して吊り下げ、運び出すことに成功したときには、大きな拍手が上がりました。
6月23日(日)
3日目はあいにくの雨模様の中、午前中のみの作業となりましたが、引き続き片づけを行いました。松波地区では、本や食器などを捨てるための梱包や物入の掃除など、屋内でできる作業を引き続き行いました。恋路地区では、被災した家屋から運び出した畳などの家財を納屋にしまう作業を行いました。作業の合間に休憩しながら、地震のときのこと、それから変わってしまった暮らしのこと、これからの未来への不安などを伺い、地震がもたらした被害の大きさを改めて実感することができました。
今回の活動では、主に被災した家屋の片づけを中心に行いましたが、1つ1つのものを大切に扱い、家の方とその家にまつわる思い出を話しながら作業を進めることで、コミュニケーションの大切さを感じることができました。
参加した学生の声(ふりかえりシートより抜粋)
印象に残ったエピソードとそのときに感じたこと
1日目夜のふりかえりより
- 1階がつぶれ、2階も瓦が崩れた家や家の中のものが外に出ているのを見て、心が痛くなり、言葉にならなかった。
- 全壊している家や瓦が崩れているところがブルーシートで覆われていたり、崩れていてもブルーシートがかかっていなかったりする状況を見て、何とかしたいと思った。
- 移動中に見た海がとてもきれいだったが、今はこれだけきれいな海が、地震があった日はどんな風に見えたのだろうと恐ろしく感じた。
- 屋根から下が倒壊している家ややぶれた障子など、メディアを通して見ていた光景を目の当たりにしてドキッとした。
- 屋根だけが残った家や木が横倒しになっていたり、地面が崩れたりしている山の斜面などを見て、もし自分の家だったらと思うと恐ろしくなったし、地域全体を見て旨がギュッとなるような気持ちだった。
- 道が整備されておらず、バスで走っているとガタガタ揺れるところがあった。実際に現地に行かないとわからないことであり、震災の状況を肌で感じた。地震当日のことを想像したら、少し怖い気持ちになった。
2日目夜のふりかえりより
- 片づけをしていたら、仏壇と壁のすき間から古い写真が出てきて、思い出話を聞いた。想いが詰まった家なんだと思った。
- 自分の身長ぐらいの棚を運び出したとき、重たくて危ないし、高価なもので傷つけられないという状況で慎重に扱うことが大変だったが、おうちの方の明るさに触れて、前向きな気持ちで作業を進められた。
- 家がボロボロで、大きな亀裂があった。半年たった今でも、まだまだ家の片づけが終わっておらず、大変だと思った。あまり役に立てず、申し訳ない気持ちになった。
- すごく明るい家族の方々で、笑顔で活動できた。最初はどんな顔・心境で参加すればいいかわからなかったが、逆に元気をもらえた。人間って強いなと思った。
- どんな顔をして作業をしようか悩んでいたが、「助かりました」と言われたときに、心のどこかにあった緊張が解けた。
- おばあちゃんの元気な姿を見て、うれしかった。
実施にあたり、情報提供等でご協力をいただきましたDWAS(災害ソーシャルワーク学生ネットワーク)のみなさま、また、宿泊場所でお世話になりました浄土真宗大谷派奥能登ボランティアセンターのみなさま、ありがとうございました。
また、作業したお宅の方々には、発災当時やその後の避難所での生活の様子などをお話いただいたり、作業に際して色々とご対応いただき、大変感謝申し上げます。
発災後5カ月以上経っても、地震直後のままになっている家も多く、復旧・復興に向けて、これからも継続的な支援が必要だと感じました。被害に遭われた方々に思いを寄せ、引き続き私たちに出来ることを考え、取り組んでいきたいと思います。
- お問い合わせ先
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京都産業大学 ボランティアセンター 13号館B1階
〒603‐8555 京都市北区上賀茂本山
Tel.075-705-1530
Fax.075-705-3191
開室時間
平日:9:00~16:30(13:00~14:00を除く)
土曜:9:00~11:45※不定期に閉室することがありますので、事前にお問い合わせください。
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