ワークショップ「はじめてのSDGs」~社会問題解決のためのアイデア発想入門~開催報告
2023.12.27
2015年9月の国連サミットで採択された国際目標「SDGs:Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の理解を通して、皆さんが国際社会の課題に出会い、その解決に向けたアクションを考えるきっかけとなることを目的に、今年度第2回目の『ワークショップ「はじめてのSDGs」』を開催しました。
開催概要
日時 | 2023年11月22日(水)15:00~17:30 |
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場所 | 4号館4階 Innovation HUB |
講師 | 情報理工学部 伊藤 慎一郎 准教授 |
内容 | ①アイデア発想の技法を学ぶ
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参加者 | 11人 |
今回のワークショップでは、キャンパスに新しく誕生したイノベーションスペース「Innovation HUB」をよりイノベーティブでサスティナブルにすることをテーマに、「アイデアの生み出し方」を学ぶ内容で行いました。
第1部は、参加者による自己紹介ののち、伊藤先生から世界の大学や企業などが設置しているさまざまなイノベーションスペースの事例を紹介していただきました。自由で独創的な、ある意味では突拍子もない空間づくりや利用方法に触れることで、参加者は常識から解放され、発想の枠組みが拡がったようです。
続いて、現場での発想法の実践としてInnovation HUBを探検し、フィールドリサーチを行いました。参加者はチームに分かれて隅々まで目を光らせ、気になったポイント、違和感を覚えた場所に付箋を貼り付け、アイデアの原石を発見していました。
第2部では、Innovation HUBのフィールドリサーチを通して発見した「問い」とSDGsのつながりを見つけるために、ChatGPTを活用しました。自ら発見した違和感や気づきを問いに昇華させ、その問いを練り上げていくために、AIとの対話は非常に興味深いものとなったようです。そして、それらをもとにグループで対話を重ね、Innovation HUBをよりイノベーティブでサスティナブルな空間にするためのアイデアをまとめていきました。
第3部では、発想したアイデアを実際にカタチにする「プロトタイピング」を行いました。プロトタイピングでは、ラフに素早くアイデアをカタチにするために、紙やふせん、ペンを用いた2次元の表現のほか、レゴブロックや洗濯ばさみ、ハンガー、防鳥ネット、紙コップなどさまざまなアイテムを使用することができます。これらを組み合わせ、アイデアはどんどんカタチになっていきます。やってみて検証し、考えて改善する。素早いサイクルで試行錯誤されて新しいアイデアが生まれるワークはスリリングで、参加者は手を動かしながら考えている姿を見られました。
今回、参加者から生まれたアイデアはこのようなものでした。
ダーツバー
日も暮れたキャンパスでは、大人が交流できる場所が必要。そこで生まれるネットワークが、イノベーションを加速させる。ゆったりと過ごせる空間には素敵な音楽が流れ、それらはストリートピアノで演奏される。また、カウンターでは学生が運営するカフェやバーが実験的に開設され、さまざまなドリンクが供される。世代を超えて交流するしかけとしてダーツを設置し、ゲームに興じながら、そこで交流が生まれる。
ハンモック
アイデアを生み出すためには遊び心が不可欠。よく学び、よく遊ぶことから、イノベーションは生まれる。空間の一部は区切られ、中を見ることができない。そこで何をしているのかわからないことが好奇心を煽り、遊び心を加速させる。実はそこにはハンモックが設置されており、座るのではなく、寝そべり、くつろぐ空間になっている。静かなひと時、いつもと違う体勢で考えると、新しいアイデアが生まれるに違いない。
ねこ
イノベーティブであろうとすることに疲れたとき、人は癒しを求める。ペットは最大の癒しだ。そんなもじゃもじゃのお友達とここでなら出会える。キャンパスの野良猫を保護し、猫カフェのように戯れられる場所とすることで、ひと時のリラックスを得ることは、新たな活力をもたらす。膝の上に乗ってきたり、遊んでほしくて邪魔してきたり、時に作業や思考を中断することも、新しいアイデアを生み出す刺激となる。
参加者の感想
ChatGPTを活用してみて
- 第二の脳みたいに使えばいいなと感じました。基本自分の第一の頭で考えて、参考程度に第二の脳を取り入れたら、視点が変わるなと感じました。
- SDGsの観点を自分たちで考えるのは難しいが、あまり深く考えすぎなくてもできることがたくさんあることを、AIの解答で気付かされました。
- アイデアをブラッシュアップするのに最適解だと感じました。
- 精度がよく、自分の知らない角度からの視点が得られました。
- 自分にないアイデアが多く、面白かったです。
- わりと言葉の意味が確定していなくても、わかりやすい答えを出してくれるなという印象を受けました。
ワークショップに参加して
- 今までクリエイティブな発想は苦手だと思っていたが、やってみるとかなり楽しかったです。
- アイデアの出し方、アイデアの出させ方を学べた。これを教員になった際には、生徒に行っていきたいです。
- ワークショップを初めて楽しいと思いました。みんな楽しそうで、私も楽しくて、意見を言うのが苦ではなかったです。就職活動のグループワークも楽しむ精神で取り組むのもありだなと感じました。
- SDGsやAIで発想に対して意欲のある人たちが集まると、とてもいいプロトタイプとプレゼンテーションができることを実感しました。しかも短時間でここまでできたのは、とても楽しかったし、自分の意欲も刺激されました。
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