ワークショップ「はじめてのSDGs」~西陣まち歩き×デザイン思考~開催報告

2022.12.19

2015年9月の国連サミットで採択された国際目標「SDGs:Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の理解を通して、皆さんが国際社会の課題に出会い、その解決に向けたアクションを考えるきっかけとなることを目的に、今年度第3回目の『ワークショップ「はじめてのSDGs」』を開催しました。

開催概要

日時 2022年11月26日(土)10:00-17:00
場所 町家 学びテラス・西陣
講師 情報理工学部 伊藤 慎一郎 准教授
内容 ①西陣を知り、リサーチして「身近なSDGs」を発見しよう。
  • 参加者自己紹介、アイスブレイク
  • 「SDGs」「デザイン思考」の解説
  • グループワーク1:問いの選定+アイデア発想+コンセプト化
②アイデアをカタチにする、「プロトタイピング」にチャレンジ!
  • ミニレクチャー「プロトタイピング」
  • グループワーク2:プロトタイピング+プレゼンテーション準備
  • プレゼンテーション
  • リフレクション
ワークショップの
ゴール
  • 西陣のまちあるきを通じてSDGsへとつながるシグナルを見つける。
  • それに応答するアイデアを発想し、プロトタイピングによって具現化する。
  • 西陣の2030年の未来に向けたアクションを提案する。
参加者 6名

今回のSDGsワークショップは、本学の学外施設である「町家 学びテラス・西陣」を舞台に、西陣の街を探索する「フィールドリサーチ」と、そこで発見した「問い」に対してアイデアを出す「プロトタイピング」を組み合わせたワークショップとして実施しました。

前半は、まず参加者が自己紹介したあと、メンバー同士が仲良くなるためのアイスブレイクとして、身体と非言語で、「ある物」を表現し、他者に伝えるというアクティビティに取り組みました。そののち、「混沌とした京都の街としての西陣エリア」と題し、ファシリテーターの伊藤先生、町家学びテラスの小宮さん、ボランティアセンターの井上によるインストールセッションを行いました。地図をもとに西陣の歴史的な成立過程や地域としての特色、地域の面白いスポットなどを分かち合いました。

アイスブレイクの様子
インストールセッション
西陣への理解を深めたあと、伊藤先生の解説により、SDGsと出会うレクチャーを行いました。同時に、今回のフィールドリサーチのコアとなるゴールを設定しました。ゴールを設定したのち、参加者は「日常にある違和感に気づくこと」という観察の技法を共有し、それぞれ西陣の街へと出ました。
フィールドリサーチでは、参加者は設定したSDGsのゴールに基づき、それぞれ自分が気になる風景を撮影していました。
集合写真
風情ある織屋建ての「織成館」
奥深くまで続く町家の路地の風景
自転車の運転者に注意を促すための路地サイン
フィールドリサーチと兼ねて昼食をチームごとに取り、参加者が町家に帰ってきました。午後は街での発見を分かち合うところから始まります。街の中で気になった風景、オブジェクトをTeamsにアップロードし、それぞれ、どこがどのように気になったのかを説明しました。共有が終わったあと、未来のアクションにつなげるための「問いかけ」を作るワークとして、1チーム1枚の写真と問いかけの文を作りました。
各チームで出された写真と問いかけはこのようなものでした。
問いかけ「どうしたら古き良き物をゴミにせず残せるだろうか」
問いかけ「どうしたら見張らずにマナーを守ることができるのだろうか」
これらの問いかけに答えを出すための考え方のヒントとして、「プロトタイピング」という技法を提示しました。伊藤先生から、「プロトタイピングとは、考えるために作ること」という概念が提示され、具体的な事例が紹介されました。今回は「Quick and Dirty Prototyping」として、手を動かしながら素早く形を作り、素早く検証して軌道修正しながら試行錯誤を重ねる方法で行うこととしました。また、ロールプレイを組み込み、体験をカタチにすることとして、各チームでワークを行いました。

参加者が取り上げた問いとその答えとなるアイデアは、下記のとおりです。

問い どうしたら古き良き物をゴミにせずに残せるだろうか。
アイデア 「もってけ物語り市」
プロトタイピング 使わなくなった物や古い物をただ譲渡するのではなく、その物にまつわる「物語」を可視化し、引き継ぐことで自分が引き取ったあとの想像を持ち、より物を大切にする気持ちを高める。
LEGOを用いたプロトタイピングのプロセス
フリマアプリを実際に使ったプロトタイピングのプレゼンテーション
問い どうしたら見張らずにマナーを守ることができるのだろうか。
アイデア 「自転車でお絵描き」
プロトタイピング 自転車を並べるのではなく、壁面にかけることで置き場を増やしていくと同時に、自転車をかけることで壁面がアートとして完成し、楽しく路上駐輪を減らす。
自転車を実際に持ち上げるプロトタイピングのプロセス
パネルを壁に見立てたプロトタイピングのプレゼンテーション
ワークショップの最後に、学生団体「TSUKUM」のメンバーによる3Dプリンターとレーザーカッターを実際に作動させるデモンストレーションを行いました。普段、デジタルファブリケーションを見る機会がない文系学部の学生は、デジタル工作機械が生み出すものづくりに興味津々でした。
レーザーカッターと3Dプリンター
3Dプリンターのデモンストレーション

参加者の感想

  • まちあるきをした後は、まだまだアイデアが固まっておらず、完成することができるか不安があったけれど、実際にグループワークでアイデアを出し合うことで、かなりいいアイデアが出たと思いました。とくにアイデアを組み合わせることが一番いい考えを生み出したと考えられます。
  • 今回のワークショップでは、普段気にかけていなかった街の様々な工夫や問題点を見つけることができました。また、普段関わることのない人々と話せたことで、いろんな考えなどを知ることが出きたので良かったです。
  • 今回のワークショップで物以外のプロダクトのプロトタイピングを初めて行うことができて、新鮮な経験になった。またSDGsのテーマからも様々なアイデアを出すことができました。
  • 散策はほとんどしたことがなかったので、西陣の調査に行くときはワクワクしながら行けました。見慣れない物とか多く、こんなのがあるんだと新たな発見があったり、他のメンバーの話やアイデアを聞いたりして、視野が広がりました。
お問い合わせ先
京都産業大学 ボランティアセンター 13号館B1階
〒603‐8555 京都市北区上賀茂本山
Tel.075-705-1530
Fax.075-705-3191

開室時間
平日:8:45~16:30(13:00~14:00を除く)
土曜:8:45~12:00 ※不定期に閉室することがありますので、事前にお問い合わせください。
日曜・祝日:閉室

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