「平成30年7月豪雨災害ボランティアin岡山」活動報告

2018.12.11

ボランティアセンターでは、2018年7月に発生した豪雨災害で、大きな被害を受けた岡山県倉敷市真備町の復興支援に協力するため、災害ボランティアプログラムを実施しました。

「災害ボランティアin岡山」実施概要

日程 2018年11月9日(金)~11月11日(月)
活動場所 岡山県倉敷市真備町
参加者数 学生17名+引率スタッフ2名
協力団体 国立吉備青少年自然の家
順正学園ボランティアセンター
日本財団学生ボランティアセンター

11月9日(金)の午後、大城光正学長、滋野浩毅ボランティアセンター長より、激励のお言葉をいただき、本学よりバスにて出発しました。夜に宿泊先の国立吉備青少年自然の家に到着し、そこで、発災当初から現地で活動している順正学園ボランティアセンター学生スタッフより、これまでの被害状況や活動内容について話を聞きました。
そして、翌日より2日間真備町にて活動を行いました。

出発の様子
被害状況などの話を聞く様子
グループに分かれて話を聞く様子

活動内容

11月10日(土)

活動一日目は、地域のコミュニティセンターとして活用されている施設の清掃を行いました。この施設は1階建ての建物で、天井まで水が浸かったそうです。中のものは運び出されていて、何もない状態でしたが、数日後から人が集まる場や物置場として使われるということで、建物内の拭き掃除を中心に作業しました。一見、あまり汚れていないように見える壁や窓ガラスでも、雑巾で拭いてみると、泥汚れがつき、床、壁、天井すべて拭く必要がありました。一緒に活動した順正学園ボランティアセンターの学生スタッフとともに、総勢30人ほどで作業しましたが、1日かけて何とかきれいに拭き終えられただろうというところで終わりました。
活動前のオリエンテーション
拭き掃除の様子①
拭き掃除の様子②

また、夜には、順正学園ボランティアセンター学生スタッフとの合同ふりかえりを行いました。
グループごとに自己紹介した後に、「活動をして一番印象に残ったこと」「明日からがんばること」を個別に記入し、グループで共有しました。
学生たちは、現地学生との交流の中で、被災した地域が抱える課題や復興に向かうための支援のあり方について考えるとともに、自分たちが暮らす地域における防災の取り組みの重要性などに気づいていました。

合同ふりかえりの様子
グループごとに自己紹介
個人の思いをシートに記入

11月11日(日)

活動二日目は、2人1組に分かれて、ニーズ調査を行いました。倉敷市災害ボランティアセンターの場所が10月末に移転したため、近隣地域の方々にその周知を図ることが大きな目的です。そして、災害ボランティアセンターができる作業内容を知ってもらうとともに、現在の困りごとや災害ボランティアセンターに依頼したいことがないかどうかを聞くために、一軒一軒回りました。
知らない地域を自転車や徒歩で回り、お宅訪問をするのは少々不安もありまりたが、災害ボランティアセンターから渡された地図を元に、ペアで協力しながら回りました。お留守のところも多かったですが、ご対応いただいた方々からは、被災状況や現在の生活の様子などのお話をお伺いしました。
ニーズ調査方法についての説明
出発前の自転車点検
調査報告の様子
今回活動に入った真備町は、岡山県内でも特に被害の大きかった地域の一つです。水害から4ヶ月が経っても、泥が入り込んだままの家もたくさん見られました。家や店舗の建物はあっても、多くの民家は住める状況になく、店舗も営業再開は未定のままのところが多くありました。
地域住民からは、「まさかここまでの水害になるとは思わなかった」「いくら水が来ても、2階に上がれば大丈夫だと思っていた」という話を何度も伺いました。一様に、危機意識を持たなかったことを悔いておられるように感じました。また、住民の中には、みなし仮設に転居されている方も多く、もともと住んでいた地域のつながりや支え合いを失う中で、精神的に不安定になるケースもある、とのことでした。しかし、再びそのつながりを再生しようという動きも見られるなど、新たな復興支援の取り組みも生まれているようでした。
今回は、被害を受けた公共施設の清掃や、ニーズを聞き取るためのヒアリングに参加させていただく中で、学生たちは水害がどのような被害をもたらすのかについて知るとともに、それでも復興に向けて動く人びとの力強さを実感したのではないかと感じています。まだまだ続く復興への道のりを、大学として継続的に支援していく必要性を強く感じました。

参加した学生の声(アンケートより抜粋)

今回の活動に参加してみて、印象に残ったできごとは?

  • 高梁川を実際に見て、この堤防が決壊しそうになったお話を聞き、にわかには信じられない気持ちでした。
  • 災害が起きて時間が経っているのでボランティアの数も正直少ないと思ったけど、想像より多かった。
  • 私たちが笑顔でいることで、被害者の方たちにも笑顔になってもらえたこと。
  • 砂と水は中々きれいにならないことです。特に窓は砂やほこりで汚れていて何度拭いても中々キレイになりません。

活動を通して、気づいたこと、考えたことは?

  • 実際に行動を起こすという大切さ。
  • 人は、やはり1人ではできることも限られてくるが、協力することで、多くのことができるようになる。
  • あまりニュースなどで報道されていなかったので、復興が進んでいるのかと思っていたが、まだまだリフォームや解体が進んでいなかったので、今回経験した私たちが岡山県の状況を発信していかなければならないと思った。
  • 実際に現地に行くことによって、テレビから伝わる以上の深刻さが感じられました。現地に行って作業することで、人の温かみに気付けた3日間でした。

「災害ボランティアin岡山」活動報告会

日時 2018年12月11日(火)12:30-13:00
場所 S201教室(サギタリウス館2階)
参加者数 10名
活動報告会の様子
活動に参加した学生からの話①
活動に参加した学生からの話②
報告会では、「平成30年7月豪雨」がもたらした被害や現在の真備町の様子を紹介した後、当日の記録写真をもとに、どのような活動に取り組んだのかについて共有しました。また、活動に参加した学生から、活動を通じてどのようなことを感じ、何を考えたのかについて、1ヶ月経過した今の思いを話してもらいました。
学生たちからは、報道等で真備のことを目にしなくなったことへの危惧や、継続的に支援に関わっていくことの重要性への気づきなどが語られました。また、自分自身が暮らす地域でのつながりづくりに取り組み始めた、という声も聞かれるなど、災害支援を通じて得られた経験が、多様な学びと新たな行動につながりつつあることが感じられました。

活動報告会に参加した学生の声(アンケートより抜粋)

  • ボランティアは持続性と情報量が大事だと感じました。
  • 被害の大きさを忘れない、いい機会になった。
  • どこか他人事のイメージが抜けなかったけど、写真を見たり報告を聞いたりしたことで、自分に何ができるのか一度考えるべきだなと感じました。

(活動に参加した学生)

  • 現地岡山で感じたことを、報告を聞いて思い出すきっかけになったと思う。特に現地で見た建物の写真が印象的だった。
  • せっかく行った経験を何もいかせていない。みんなで活動を確認し合うことによって、まだ復興していないこと、これからも支援をし続けなければならないと思った。
* * *

今回の災害ボランティアプログラム実施に伴い、みなさまから多大なるご支援・ご協力を賜りました。
この場を借り、深く御礼申し上げます。ありがとうございました。
お問い合わせ先
京都産業大学 ボランティアセンター 13号館B1階
〒603‐8555 京都市北区上賀茂本山
Tel.075-705-1530
Fax.075-705-3191

開室時間
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土曜:8:45~12:00 ※不定期に閉室することがありますので、事前にお問い合わせください。
日曜・祝日:閉室

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