「京都の伝統文化」で位ノ花 俊明さんが講義

2017.06.21

6月21日、共通教育科目「京都の伝統文化」において、能面師であり能楽金剛流師範の位ノ花俊明さんが講義を行いました。

能の流派や座、武家と能の関係について説明がなされました。能の流派には、観世・宝生・金春・金剛・喜多の四座一流と呼ばれるものがあります。また、座はもともと芸能集団として起こったもので、その中から芝居をする集団が専門化して能の座として発展してきたものであると述べられました。

狂言と能の違いと能の面について説明を行っていました。まず、狂言は一つのことをおもしろおかしく誇張して演じられているのに対し、能は足音をあまり立てなかったり、動きがとても少なかったりと、繊細に表現されます。そのため、見る人が能についての基礎的な知識を知った上で、見物者自身が演者の感情等を想像することが、能の楽しみであると述べていました。これらのことが能の面にも表れており、能の面では何も誇張されていない面ほど位が高いものとされています。また、演者がつける面はどのように演じようと考えているかによって異なり、その主人公を年の若い役柄として演じようとしているのか、年を重ねた役柄として演じようとしているのかは、使用している面からも分かるようになっています。

最後に、位ノ花さんは伝統文化について「元々ある約束ごとを守ったうえで、時代やそのニーズにあわせて変化することによって発展していく」と述べられました。

【記事・写真:学生広報スタッフ 村地 美凉(現代社会1年次)】

伝統文化の発展について説明する位ノ花さん
能の面についての紹介
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