「高大接続に係る情報収集勉強会」を開催しました
(グローバル化推進プロジェクト・入学グローバル化プロジェクトチーム)

2016.07.01

7月1日(金)、サギタリウス館にて、高大接続に係る情報収集勉強会を開催し、47名の教職員(附属高校教員3名、大学教員13名、職員31名)が参加しました。講師にリクルート進学総研所長、カレッジマネジメント編集長の小林浩氏(第6期中央教育審議会高大接続特別部会委員)を迎え、高大接続答申や平成28年3月に公表された高大接続システム改革会議「最終報告」からのメッセージについて講演いただきました。

高大接続システム改革は、入試の改革だけが注目される傾向にありますが、実際には教育の改革であり、高校と大学の教育を一体的に変革することを目的とし、そのために、入試を変えるという理念のもとに成立していることが強調されました。

97%を超える高校進学率を背景に、多様な背景を持つ生徒の教育に取り組む高校の教育改革が急ピッチで進められています。「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「主体性をもって多様な人々と協働して学ぶ態度」の「学力の三要素」の育成を実現するために、学習指導要領が抜本的に見直され、アクティブラーニングの実施、ルーブリックやポートフォリオに基づいた多面的な評価の導入などの改革が、高等学校基礎学力テスト(仮称)の導入とともに高校の教育現場に導入される予定です。現状の高校教育では、大学入試対策のために知識偏重の旧来型の学習に多くの時間が割かれているという問題意識があり、このような教育改革の実践のためには、大学入試を変える必要があるというのが、今回の高大接続システム改革の考え方であることが紹介されました。

高校教育の改革に連動して、大学はディプロマ、カリキュラム、アドミッションの三つのポリシーをより強力に具現化するとともに、内部質保証のサイクルを確立して成果を分かりやすく公開することが求められています。本学はすでに三つのポリシーを大学・学部・研究科ごとに策定・公表していますが、「どのような卒業生を社会に送り出すのか」(ディプロマ・ポリシー)について、「建学の精神」や「教育の理念」に基づいて具体的に示す必要性が再確認されました。育成すべき人材像に対応して、「どのような学生にここで学んでほしいか」(アドミッション・ポリシー)をメッセージとして打ち出すために、高校教育の動向と連携した入学者選抜の在り方を検討する時期が迫っています。学生に選ばれる大学であるためには、入学と卒業をつなぐ大学の4年間でどのように学べるのか(カリキュラム・ポリシー)の提示が重要であることは、言うまでもありません。

参加者は多岐にわたる情報を熱心に収集し、本学がどのように改革に取り組むべきかについて複数の質問がされました。講師からは最後に、組織内のコミュニケーションを強化して危機感の共有を行い、国の政策動向や他大学の動向に徒に振り回されるのではなく、本学の強みや特色、社会的な役割を踏まえた上で、主体的に改革に取り組むことが、大学の教育改革を成功させる鍵であるという提言で締めくくられました。

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