京都産業大学創立50周年記念事業 日本文化研究所主催シンポジウム開催

「かな」という文字を考える―墨書土器から見えてくるもの―

多くのお申込みを頂き、誠にありがとうございました。
受付を終了とさせて頂きます。

 この度、2015年に創立50周年を迎える本学の記念事業として、京都産業大学 日本文化研究所主催のシンポジウムを開催することといたしました。 本シンポジウムでは、平成23年に藤原良相邸跡から発見された墨書土器を題材に、「かな」文字に関する諸問題について考えます。歴史や文字の研究から、どのように墨書土器を紐解くのか。是非ご参加ください。

開催概要

 いま、日本では主としてひらがな・カタカナ・漢字と、三種類の文字が混在しています。そのなかで、これこそ日本の文字と呼べる存在は、やはりひらがなでしょう。けれども、ひらがなの成立と展開の歴史には、解明すべき謎が多く残っていることも事実です。

 平成23年、京都市内の藤原良相邸跡から、最古級のひらがな文字資料を含む、多くの墨書土器が出土しました。ひらがなは漢字の草書体と深く関わり、また表音文字であることから当時の音韻がわかる例もあります。この世紀の大発見に、ひらがなを見直してみようという機運が高まっていますが、日本文化研究所でもなるべくわかりやすく、墨書土器から見えてくる、ひらがなの諸問題を考えてみたいと思い、今回のシンポジウムを企画しました。学内外から国語学・国文学・古筆学・考古学・歴史学・音韻学の第一線で活躍する研究者が一堂に集い、報告と討論を行います。

 折しも、会場のむすびわざ館では、同じフロアにあるギャラリー室で、特別企画展「平安京の文字 ―掘り出された歴史― 」(9/23〜11/15)を開催しています。貴重な墨書土器の実物を見ていただければ、いっそう理解が深まることでしょう。日本語に関心を持っている人はもとより、考古学ファンの好奇心にも十分こたえうるシンポジウムになると考えています。

日時 平成26年9月27日(土) 開場12:30 開演13:00 終演(予定)17:00
会場 京都産業大学 壬生校地 むすびわざ館
むすびわざ館への交通アクセス

申込 郵便番号・住所・氏名・電話番号・年齢・参加人数をご記載の上、以下の方法にてお申込み下さい。(先着順)
【インターネット】応募フォーム
参加申込フォーム
【往復はがき】
〒603-8555京都市北区上賀茂本山 京都産業大学 日本文化研究所 シンポジウム係 宛
【FAX】
FAX:075-705-1966
※このページに掲載しているチラシ(PDF)の2ページ目をFAX用紙としてご利用ください。
※頂いた個人情報は、本学開催行事の案内以外には一切使用いたしません。
申込期限 平成26年9月12日(金)
(往復はがき:当日必着。参加証は9月19日(金)頃発送予定。)
※インターネット申込は定員になるまで受付いたします。

プログラム

報告

『墨書土器が出土した遺跡・遺構について』
鈴木 久男(文化学部教授・日本文化研究所兼務所員)

『日本史学からみた仮名墨書土器』
吉野 秋二(文化学部准教授・日本文化研究所兼務所員)

『草仮名のゆくえ』
田中 登 氏(関西大学文学部教授)

『かな成立史・発展史と墨書土器―国語文字史研究の立場から―』
矢田 勉 氏(大阪大学大学院文学研究科准教授)

コメンテーター

森 博達(外国語学部教授・日本文化研究所兼務所員)
長谷川 千秋 氏(山梨大学教育人間科学部准教授)

パネルディスカッション

パネラー

鈴木 久男(文化学部教授・日本文化研究所兼務所員)
吉野 秋二(文化学部准教授・日本文化研究所兼務所員)
田中 登 氏(関西大学文学部教授)
矢田 勉 氏(大阪大学大学院文学研究科准教授)
森 博達(外国語学部教授・日本文化研究所兼務所員)
長谷川 千秋 氏(山梨大学教育人間科学部准教授)

司会

小林 一彦(日本文化研究所長・教授)

プログラム概要

 前半は専門研究者4名による報告を、後半は4名の報告者にコメンテーター2名が加わり、6名によるパネルディスカッションを行います。

 前半のプログラムでは、本学から鈴木久男教授(考古学)、続いて吉野秋二准教授(歴史学)が報告します。鈴木教授は長年、京都市埋蔵文化財研究所において発掘現場を指揮し、「ミスター埋文」の異名をとる、平安京出土資料の第一人者です。吉野准教授は、日本古代史を専門とし、良相邸跡出土の墨書土器については発見当初より調査に携わり、木簡などの古代文字資料にも明るい研究者です。 次に学外からお招きした専門家2名、関西大学の田中登教授(国文学・古筆学)、大阪大学の矢田勉准教授(国語学)に報告していただきます。田中氏は歌の家・冷泉家伝来の古典籍をはじめ、平安時代の「かな資料」を豊富に調査され、古筆学の分野に数多くの業績を積まれていることで知られています。矢田氏は、国語学の分野に数々の業績があり、紙に書かれた「かな文字」だけではなく、地中から出土した資料をも対象として、ひらがなの歴史について再構築をめざすべく精力的な研究をされています。

 後半は、コメンテーターとして本学の森博達教授(音韻学)、山梨大学の長谷川千秋准教授(国語学)が参加し、パネルディスカッションを行います。森教授は東アジアの語文交流を専門とし、『日本書紀』の万葉仮名のうち約三分の一が渡来中国人により表記されていることを証明したことで知られています。長谷川氏は気鋭の国語学者で、日本語の文字表記や仮名遣、音韻に関する研究を重ね、良相邸出土の墨書土器についても共同調査に参加されています。司会は本学日本文化研究所の小林一彦所長(国文学)がつとめます。

お問い合わせ
京都産業大学 研究機構(研究支援担当)
〒603-8555 京都市北区上賀茂本山
TEL.075-705-1468 Fax.075−705-1966
E-mail:sympo-kenkyu@star.kyoto-su.ac.jp
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