八杉 滿利子 京都産業大学名誉教授・秋山 英三 筑波大学教授 講演会を開催します

 6月28日(土)京都産業大学で八杉滿利子京都産業大学名誉教授と秋山英三筑波大学教授の講演会を開催します。

 八杉滿利子京都産業大学名誉教授は、東京大学で博士号を授与されてから、海外および国内の大学で研究と教育に長く携わってこられ、第5回猿橋賞(1985年)を受賞されるなど、日本の理科系の女性研究者が活躍の場を広げるとともに、数学に多大な貢献をされました。さらに京都産業大学の実験経済学プロジェクトなどに御尽力いただくとともに、プロジェクトに参加した院生や若手研究者に多くの助言と影響を与えました。

 京都産業大学を定年退職後も、京都大学文学研究科に入学され、「数学における概念拡張の二つの様式」で今年3月に御自身2つめの学位を授与されました。

 これを記念して講演会を企画しました。講演の内容は上の学位論文に関わる哲学の話題です。また筑波大学の秋山英三教授には、八杉先生にお世話になった研究者を代表して、実験経済学に関わる研究を発表いただきます。

 皆さんの参加をお待ちします。

京都産業大学 経済学部教授 小田 宗兵衛(秀典)

日時 2014年6月28日(土)14:00〜17:30
会場 京都産業大学 5号館5301講義室
交通 ※キャンパス内に駐車場はありません。公共交通機関をご利用ください。
交通アクセス
プログラム 14:00〜15:30 講演者:秋山 英三氏(筑波大学 システム情報系教授)
演題:How do experienced traders respond to inflows of inexperienced traders?
An experimental analysis (with Nobuyuki Hanaki, Ryuichiro Ishikawa)
16:00〜17:30 講演者:八杉 滿利子氏(京都産業大学名誉教授)
演題:数学における概念拡張の二つの様式
18:00〜20:00 懇親会:「ふるさと」(京都産業大学神山ホール)
対象 本学教職員・学生・一般
参加費 無料
申込方法 下記、本登録フォームからご登録ください

※本講演会は、本学経済学部 小田教授が代表の科研費「公平な再分配に関する実験研究」の活動として行われます。

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講演要旨

 数学における概念発展には、初期理論と新理論が自然な接続をしている場合がある。新しい関数や領域が導入されても初期理論の部分は変わらず、新しい概念に自然につながる場合だ。その”自然な接続”の特徴付けとして、”同質性”という原理を提案する。同質性は”内的必要性”(数学活動からの要請)、”形式保存性”(初期理論を規定する法則の普遍妥当性:形式不易の原理)、”実質保存性”(初期理論における諸概念の意味の不変性)が成り立つこととする。この提案の妥当性を概念発展の様式を示す二つの数学観、Dedekindの発生論的数学観(1854年)とBourbakiの構造理論的数学観(1950年)、によって説明する。この手法は、数学が数学者の個人的着想とその確認・伝達のための論理的記述の綜合的活動であるという基本姿勢によって容認されるものと考える。数学の健全性は多くの数学活動の相互依存によって保証されるものと考えるからである。このような考察の起源である、不連続関数の計算可能性研究および二つの数学観を結ぶ歴史的経緯についても簡単に言及する。

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