京都産業大学創立50周年記念事業リエゾンオフィス シンポジウム開催

「細胞内の情報から医療における個人情報へ」

多くのお申込みを頂き、誠にありがとうございました。
お申込みが定員を超えたため、受付を終了とさせて頂きます。

 この度、2015年に創立50周年を迎える本学の記念事業として、京都産業大学 リエゾンオフィスから本学の研究成果の一端を市民の皆様にご報告する機会として、シンポジウムを開催することといたしました。

 人間には約60兆個の細胞があります。
 これらの細胞は1日で死ぬ細胞から、何十年と生き続ける細胞まで存在します。これらの違いは細胞内にあるタンパク質の不思議な働きによるものです。そして、このタンパク質の構造が壊れることによって発症する病気があります。代表的なものが、アルツハイマー病、パーキンソン病や狂牛病(BSE)です。
 近年の研究でそれらの病気の構造が少しずつ解明されて来ました。同時に、この医学の進展には、個人の遺伝情報や病気の情報などが必要不可欠でした。

 本シンポジウムでは、生命の秘密が記されたタンパク質、そのタンパク質の異常が引き起こす病気などの最新の生命科学と、そのような医科学研究の進展が個人のプライバシーにどのように影響するのかをテーマとし、一般の方に分かり易く講演いたします。聴講無料でご参加いただけます。是非、お申込み下さい。

日時 2013年6月29日(土) 開場 12:30 開演 13:00 終演(予定)15:30
場所 京都産業大学 壬生校地 むすびわざ館
むすびわざ館への交通アクセス

申込 郵便番号・住所・氏名・電話番号・年齢・参加希望人数・ご質問事項等を記載の上、以下のいずれかの方法にてお申込みください。(先着順)
【インターネット】受付は終了しました。
【往復はがき】〒603-8555京都市北区上賀茂本山 京都産業大学リエゾンオフィス
【FAX】FAX:075-705-1966
※「リエゾンオフィス シンポジウム参加希望」と明記下さい。
申込期限 平成25年6月21日(金)(往復はがき:当日消印有効。参加証は6月25日頃発送予定。)
※Web申込は定員になるまで受付いたします。

プログラム

開会挨拶

京都産業大学 代表者による開会あいさつ

講演

第1部『遺伝子からタンパク質へ:ヒモを形にしてみよう!』

京都産業大学 総合生命科学部 教授 吉田 賢右

略歴
東京大学理学部生物化学科卒業。東京工業大学 資源化学研究所 所長を経て、2009年より京都産業大学工学部教授。現在、京都産業大学総合生命科学部教授。
研究分野
野生化学、生物物理学
主な著書
『細胞におけるタンパク質の一生』(共立出版社)


講演要旨
 生命の秘密はヒモに書かれている。遺伝子のヒモ(DNA)は、RNAというヒモにコピーされ、次にポリペプチドというアミノ酸のヒモに翻訳される。ここで不思議なことが起きる。このヒモが、自分で折れ曲がり、くねったりねじれたりして、とても複雑な立体的な構造をもったタンパク質を作り出すのである。ここでようやく生命はヒモから立体的な形のあるものになる。立体構造を持つタンパク質こそ生命の諸活動を実行する。この折れ曲がりには、外からエネルギーや情報を与える必要はない。1本1本のポリペプチドは、どういうわけか自分が到達すべき立体構造を知っていて、そこにむかって自分の力だけで折りたたむのである。これに失敗すると、身体に不都合なことが起きてくる。また、失敗しないように折れたたみを援助する仕組みが細胞に備わっている。

第2部『タンパク質の形が壊れると病気になるってホント?』

京都産業大学 総合生命科学部 教授 永田 和宏

略歴
京都大学理学部物理学科卒業。京都大学胸部疾患研究所、再生医科学研究所教授を経て、2010年より京都産業大学総合生命科学部教授。初代学部長。2009年紫綬褒章。
研究分野
分子細胞生物学、タンパク質のフォールディングと細胞内品質管理機構
主な著書
『タンパク質の一生』(岩波文庫)、『近代秀歌』(岩波文庫)、『もうすぐ夏至だ』(白水社)など


講演要旨
 私たちの身体を作っている細胞は60兆個ある。それぞれの細胞で寿命が異なっており、わずか1日で死ぬ細胞から、何十年と生き続ける細胞まである。神経細胞は長寿の細胞であり、あまり入れ替わらない。そんな神経細胞が傷害を受けると、入れ替えが効かない分、いろいろな病気が引き起こされる。代表的なものが、アルツハイマー病やパーキンソン病、狂牛病(BSE)を初めとするプリオン病などである。これらはすべて、だれもが持っているタンパク質の構造が壊れることによって引き起こされる病態である。これらタンパク質の変性と病気との関係について話をする。

第3部『医療の発展はプライバシーを侵害するのだろうか?』

京都産業大学 法務研究科 教授 中山 茂樹

略歴
京都大学助手、西南学院大学助教授などを経て、2004年、京都産業大学法学部助教授。現在、京都産業大学大学院法務研究科教授。
研究分野
憲法学
主な著書
『憲法Cases and Materials 人権』(初宿正典らとの共著)、『医科学研究の自由と規制』(青木清・町野朔編の共著)


講演要旨
 近年の医科学研究の進展は、プライバシー・個人情報の保護に関する社会の法制度について再検討の機会を与えている。個人の遺伝情報や病気の情報、体質に関する情報などの身体に含まれる情報は、他人に知られるべきでないプライバシーに属すると考えられてきた。けれども、それらの情報は、それを用いて研究することで医学・医療が発展し人々の健康に役立つものであり、他人が利用することが認められる情報でもありうる。社会において何を個人のプライバシーとして保護すべきなのか、また、どのように個人情報を保護すべきなのかについて、わたしたちが社会でつくるルールが、わたしたちの生活や健康を左右する。

質疑応答

 講演者が登壇し、当日参加の方々及び事前に受け付けた質問に対する回答。

お問い合わせ
京都産業大学 リエゾンオフィス
〒603-8555 京都市北区上賀茂本山
Tel.075-705-1778
Fax.075-705-1966
E-mail:liaison-office@star.kyoto-su.ac.jp

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