イタリア・サレント大学

外国語学部 言語学科 イタリア語専修 木村 綾沙さん

留学種別:交換留学
留学先:イタリア サレント大学
留学時の年次:2年次
留学期間:2010年9月〜2011年7月
留学アドバイザー:外国語学部 アレッサンドロ・マヴィリオ助教
出身高校:京都学園高等学校
現在の語学スコア:TOEIC:715 IELTS:5.5 英検:2級 伊検:5級

留学のきっかけ

日本語を学んでいる学生達と

 私は実のところ入学当初、留学するつもりはありませんでした。ですが、大学で専攻として学んでいるにもかかわらず、イタリア語を話せないというのはあまりにもお粗末だなと思ったことと、私が言語において重きをおいている分野が文法でも筆記でもなく会話であるということ、またイタリア語を勉強しているうちにイタリアに行って言語だけではなくイタリアの文化、イタリア人の生活に触れたくなったので留学しようと決意しました。

 そして私は美術が好きです。イタリア美術はすばらしく、たくさんの美術館があり、訪れたいという気持ちや、建築も大好きで、ヨーロッパの建築物を見ることがすごく好きなのでイタリアの建築をぜひ自分の目で生で見たかったということもありました。

 私が留学したいと思った理由の中では言語の上達というものは優先順位の中では少し下に位置していました。私は言語というものは文化の一つであると思っています。ですので、言語を含んだ大きい意味での文化を、イタリアを感じるために、イタリア人と触れ合うために留学を決意しました。

留学生活全般

授業

 私が取っていた授業は主にイタリア語の授業と日本語翻訳の授業でした。イタリア語の授業はそのままイタリア語の勉強をします。日本語翻訳は、日本語の文章をイタリア語に翻訳したり、日本語文法の練習をしたりします。サレント大学には翻訳のプロの先生もいらっしゃるのでとても貴重な体験ができます。また日本語翻訳の授業の中では日本の文化についても触れていたりしますので、日本文化の独特なものの説明方法など普通に生活していて表現しにくいものをどのように表現するのか学ぶこともできます。この授業の先生は日本人、イタリア人とお二方でされているのでなにか困ったことがあったり、耳寄りな情報があると助けてくださったりしますので授業面だけでなく生活面のことも相談できます。この授業に出ているイタリア人の学生は日本語を勉強していますのでとても日本に興味がある生徒ばかりですので、友達になるととてもいいでしょう。

 そのほかにもイタリア人の学生が普通に受けている、イタリア近代文学の授業をリスニング力アップのために出ていましたがまったくわかりませんでしたのでテストは受けていません。

生活

 私はアパートで、同じ部屋を同じイタリア語学科から留学に来ていた友達とシェアしていました。他に、イタリア人3人と暮らしていました。彼女達はとても優しく、いつも親身になって私達に接してくれました。ですので、生活のことで困ったことというのは目立ってありませんでした。

友人関係

 先ほど書きました、日本語翻訳の授業に出ている生徒たち、イタリア近代文学の授業に出ている生徒たち、またイタリア語の授業に来ているイタリア以外のヨーロッパ諸国からきている生徒たちと仲良くさせてもらいました。南イタリア人は基本的にとてもフレンドリーで、自分の友達を遊ぶ時に何人か連れてきたりしますので、たくさんの人とすぐに友達になることができると思います。

これから留学される方へメッセージ

 イタリアは日本とまったく真逆な国です。それこそ世界が違います。正確さなどはそっちのけで不確かなことが当たり前、真剣にやっているの?とその違いに時折憤り、納得できないことがあるでしょう。でもそれがイタリアなんです。だからこそイタリアなんです。そんな良いところ悪いところもしっかり肌で感じてきてください。イタリアの魅力また、日本の魅力に気づけるそんな留学にしてください。

 そしてぜひピザを食べてください!おいしくて安い!それこそイタリア!思いっきり楽しんで!

留学したことで学べたこと、得たもの

 イタリアがどういう国なのか、日本がどのように見られているのか。日本から見たイタリアとは全然違う一面をたくさん見ました。日本人がどれほど愛されているのかを感じました。私はちょうど関東東北大震災の時にイタリアにいました。見ず知らずの道行く人たちも私が日本人だと知るととても親身になって「家族は大丈夫?友達は?」と聞いてきてくれました。無事だと知るとハグをしてキスをして喜んでくれました。本当に素敵だと思いました。こんなにたくさんの人が日本のことを日本人のことを思ってくれているのだと涙が出ました。またこのように心から心配してくれるイタリア人の皆さんがとても素敵で、自分もこんな風になれればいいなと心から思いました。日本はとても豊かで、インフラも整っており、とても便利な国です。その反対にイタリアは不便な面が今でもたくさん残っています。生活面、経済面をみればイタリアと比較するだけでなく、世界と比較しても日本がダントツに素晴らしい国だと思います。ですが、イタリアはとても暖かく活気に溢れています。それがイタリアの魅力なのだと感じました。そんなイタリアが私は大好きです。たとえ、お役所で3時間待たされようが、電車が1時間に1本しか無かろうが、電車にクーラーが付いていなかろうが、そんな不便どうってこと無いくらいイタリアが、そこで生活する人々が大好きです。国を形成しているのは国民であると思います。国は国民、国民は国なのです。日本にいるとなかなか体験できないようなことを私はこの1年間で感じて体験してきました。まだ帰国して間もないですがイタリアで学んだな、得たんだな、と日本で生活していると感じることが多くなりました。まだまだこれからたくさん見つけると思います。それが今からとても楽しみです。

今後の進路や夢、これから取り組もうと思っていること等について

 進路はまだはっきりと決めていません。私は好きなことを仕事にできたらと思っています。そんな私は大好きなものがたくさんありすぎて、またその大好きなものがどのように仕事につながるのか整理できていません。そして私は今まで進路についてはっきりとした決断をしてきませんでした。私がはっきり決断したことが人生で数えるほどしかありません。どちらかというと決断という言葉も行為も苦手です。ですから今後の進路もその時々で自分と相談しながら自分が納得し、後悔が少なくすむように決断というよりも小さな選択を繰り返しながらこれからのことを決めていこうと思っています。進路というものはひどく曖昧ではありますが、夢はまたイタリアに行くことです。またたくさんの国に友達がいるのでその友達にまた会うことが夢です。世界中たくさんの人の中、しかもお互い母国でない国で出会えたこの一期一会を大切に、人とのつながりを大切にしていきたいと思っています。


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