ポーランド・国立アダム ミツキェヴィチ大学

外国語学部 英米語学科 可畑 侑香さん

留学種別:交換留学
留学先:ポーランド・国立アダム ミツキェヴィチ大学
留学時の学年:2年次
留学期間:2010年9月〜2011年7月
留学アドバイザー:外国語学部 川越 いつえ教授
出身高校:京都府立莵道高等学校

 ポーランドへ留学に行くと決めた時、周りからの疑問や反対の声がたくさんありました。「どうして英米語学科なのに、ポーランドなの?」と嫌ほど聞かれましたし、ましてや現地へ行ってからも、ポーランド人にまで嫌ほど聞かれました。私の全ての周りの人たち皆がそう聞いてきましたが、私は自分や周りの人たちの知らない環境へ行って、そこで自分が何を感じるのかを知りたかったのです。そして留学を通して私が得たかったものは言語だけでなく、それ以上の自分を成長させるための「何か」でした。本当に何となくだけど、ポーランドには私にとってのその「何か」があるように感じていました。

 実際に留学生活が始まると、まず驚いたのが私のチューターをしてくれた学生の日本語の上手さです。その時、彼らはまだ日本語を勉強し始めてちょうど3年目か4年目になったところだったのに、日本語をすっかり使いこなしていました。さらに驚いたことに、彼らは日本へ行ったことがまだありません。しかも学校へ行ってみると、この2人だけでなく他の日本学科の学生は皆日本語がネイティヴのように喋れるのです。私の未熟な英語で話すより日本語で話す方が、会話がすすむので最初は悔しくなりました。英語留学という名目で来たのに、どうしようかと戸惑った事もありました。
 しかし私は重大なことに気付きました。他の国に比べるとここに住んでいる日本人の数は圧倒的に少ない。そして私が母国語を話していようと、英語やポーランド語を話していようと関係なく、ここでの交流は全て国際交流なのだと。その点に気付いてからは、友達の日本語を上達するための練習になれてむしろ嬉しくなりました。また、英語で話そう、と私の為にわざわざ言ってくれた友達や、毎週欠かさず英語の授業をしてくれた友達までできました。もちろんポーランド語を教えてくれた友達もいました。大学の授業ももちろん力になりましたが、こういった友達のおかげで英語もポーランド語も前よりぐんと話せるようになりました。本当に心から彼らに感謝しています。
 また、ポーランドで英語を話していると、英語はやはり共通言語なんだなと感じました。私の場合、もし英語圏へ留学していたら、英語を話すことだけに精一杯になってしまって、英語はあくまでツールだ、という事に気付けずにいたと思います。言葉で言うのは簡単ですが、本当の意味で気付くのは難しいことだと思います。そしていくらヨーロッパだからと言っても、ほとんどの人と英語でコミュニケーションがとれるわけではないという事も知りました。元々、ポーランド語も勉強したいと思って来ていたものの、人と会話をする為には自分が想像していた以上にもっとポーランド語への勉強に力を入れないといけませんでした。しかし友達の授業のおかげもあって、留学の最後の時期には多少はポーランド語で会話ができるようになっていました。自分が思っていた以上に、言葉が通じるという事は感動でした。私を本当の娘のように可愛がってくれた友達の家族に、ポーランド語で会話することができて、感謝の気持ちが言えて本当に嬉しかったです。

 この留学で本当にたくさんの貴重なことを経験しました。まず留学しなかったら体験できなかったこと、そしてポーランドへの留学じゃなければ経験できなかったことだらけでした。かけがえのない友達も本当にたくさんできました。帰国したくないと言って友達に泣きついた事もありました。しかし、こんなに充実した留学生活を送ることができたのは私の日本の家族の支えがあってです。そして辛いことがあってもホームシックにならなかったのは、支えてくれた友達たち、その友達の家族、日本人の先生方のおかげです。自分を成長させる為の「何か」は、人との大事な繋がりでした。私を気にかけてくれた全ての人に心から感謝します。


  • 友達とその家族

  • 菜の花畑
PAGE TOP