ドイツ・ケルン大学

外国語学部ドイツ語学科 白井佳南さん

留学種別:交換
留学先:ドイツ・ケルン大学
留学時の学年:2年次秋学期から3年次春学期
留学時期間:2008年8月〜2009年7月
留学アドバイザー:外国語学部 高山秀三 教授
出身高校:滋賀県立石山高等学校

ドイツ・ケルン大学 在学留学体験記

 私は2回生の9月から3回生の7月までドイツのケルンに留学していました。それまで1度も海外に行ったことのなかったので、私にとって外国とは憧れの地でした。せっかくドイツ語やドイツについて勉強しているのだし、学んできたことを現地でつかったり自分の目で確かめたりしてみたい、と思い留学を決意しました。

 フランクフルト空港に着いて早々、関空で預けた荷物が来ていなかったり、日本から送ってもらった荷物が家に届かなかったり、市役所で何度も追い返されたり・・・生活が落ち着くまではハプニングが多かったです。このようなことは日常茶飯事で、同じように留学に来ていた日本人の多くは頭を悩ませていました。

 住むことになったのはケルン郊外にある静かな場所で、たくさんの寮が集中して建っているそこは「学生村」と呼ばれていました。その中の小さくてかわいらしい木製の建物でフランス人、ブルガリア人、スペイン人の女の子たちと4人暮らしです。個別に部屋を持っていて、キッチンとバスルームを共同で使います。共同生活では掃除をしない人や、夜中にパーティを開く人がいてたまに問題もありましたが、そういうことは誰かがキッチンに注意書きを張り紙して解決します。私たち4人は割と個人的な生活をしていたと思いますが、困った時頼れる仲間でもありました。

 大学ではおもに語学の授業を受けていました。この授業を取る前にクラス分けのテストを受けなければならなかったのですが、このときは先生の指示すら聞き取れずパニックに陥ったまま問題に取り組まなければなりませんでした。日本で1年半ドイツ語を勉強してきたとはいえ、自分の聞き取りの能力はかなり低いということを痛感しました。それ以降、どの授業を受けるときも、聞き取った知らない単語をメモして調べるのが習慣になりました。

 語学の授業を受けるのは全員が留学生ですから、クラスはかなり国際的です。この特色を生かして、みんなドイツ語で自分たちの国について紹介しあうことがよくありました。ドイツ人は先生しかいないのにドイツ語が飛び交う風景は不思議ではありましたが、とっても楽しかったです。

 留学生活が後半に差し掛かってから、ドイツ語をアウトプットする時間を増やそうと思い、「タンデムパートナー」を探すことにしました。「タンデムパートナー」とは語学交換パートナーのことで、私がドイツ語を教わる代わりに私が日本語を教えます。募集の張り紙を張るのはちょっと緊張しましたが、パートナーはすぐに見つかりました。週に1回会って世間話をしたり、私がドイツの新聞を読んできて、それについて質問したり、ドイツと日本の違いについて話したりしました。タンデムと会うことで私のドイツ語の表現力はかなり伸びたと思います。

 留学して感じたことは「私は日本人だ」ということです。たとえば、授業中自分の意見を言うことをちょっと遠慮してしまうとき、無性に日本食が食べたくなるとき、パーティで初めて会った人としゃべるより、気心知れた友達と居酒屋で飲むほうが好きだと思ったとき、日本の歴史について大して語れないと気付いたときなど。留学して初めて日本人としての「私」を客観視できたと思います。

 もうひとつ、外国は意外と近いです。行きの飛行機の中で過ごす時間は本当に長く感じましたが、帰りは不思議とそんなふうには感じませんでした。日常の半日なんてあっという間ですから、飛行機の中でも慣れてしまえばこっちのものです。

 今後は、留学中に不足していると感じた知識を補うようにして、大学の授業を受けていきたいです。また独検や国際的に通用するドイツ語の検定、ZDなどにも挑戦していこいうと思っています。

これから留学される方へ。

 留学は自分ひとりの力では実現不可能です。準備期間から留学が終わるまで色々な人の力を必ず借りることになります。ですから、自分に協力してくれる人とよく話し合って留学を実現されることをお勧めします。周りの協力が得られれば、きっと素敵な留学生活が送れるはずです。

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