オックスフォード・ブルックス大学

法学部法律学科 山本慎大さん

留学種別:夏季短期語学実習
留学先:イギリス オックスフォード・ブルックス大学
留学時の学年:3年次
留学期間:2009年8月
出身高校:奈良大学附属高等学校

はじめまして。法学部・法律学科の山本慎大と申します。私は2009年の夏に本学の夏季短期語学実習に参加しました。以下は私が現地で感じ、体験してきたことを率直に書いてあります。今後の短期語学実習に興味がある、または参加予定の方にとって参考となれば幸いです。

語学実習参加のきっかけ

  私が参加したきっかけはただ漠然と英語を上達させたいという夢と、異文化の交流が大好きな私にとって、今後の就職活動の糧となるような経験をしたいと思ったからです。本学には長期の留学プログラムもたくさんありますが、資金面や現地での生活など不安な要素が多くあり参加しようという気にはなれませんでした。そこで見つけたのがこの夏季短期語学実習でした。1回生の時、講義で英語を教えていただいた講師の方にイギリスに滞在されていた時のお話しを聞いて、一度は行ってみたい国であったことと、EU圏のしくみに興味のある私は迷うことなく参加を希望しました。

語学実習生活全般

《学校での授業》

 まず、初日のオリエンテーションではクラス分けのテストが行われました。このテストはすごく良くできていて、ほぼ同じ英語レベルの学生が集まることができるように感じます。それゆえ、私のクラスでは授業に全くついていけない人はいませんでしたし、もしついていけなくても比較的少人数のクラスのためお互いに教えあい、講師の方が一人ひとりに声をかけてくれるので質問もすごくしやすかったです。また、クラスの中でも4〜5人でのグループワークが多く、積極的に自分の意見を発言していく必要があり、特に教育現場でグループワーク経験の少ない日本人にとってはやりにくさを感じるかもしれません。私も実際のところはクラスに男性が2人しかいなかったこともあり、帰りたいと思うことが何度かありました。しかし、帰国後に就職活動が迫る私は、これを就職活動のグループディスカッションの練習だと思い頑張ろうと努力していたのを思い出します。お互いに意見を出し合うことによって、その人の考えを吸収することができ、時には討論することもありました。考えを全て英語で相手に伝えることが大切ですが、簡単なことではありません。だから、間違いを恐れて発言しないよりも、単語だけで良いので『相手に伝えようとすること』が一番大切であると感じました。

《クラス》

 私のクラスはほとんどが日本人で、日本の英会話学校に来たような感覚に浸ってしまいました。日本人同士は日本語でコミュニケーションをとるために、少数の日本以外の参加者の方からは何を言っているのか分からないといった不満が出るなどの問題もありました。ある日、休憩中の教室内に日本語が聞こえることから、講師の方からクラスの皆の英語に対する意識についてお話がありました。講師の方は「英語を恐れず、日本人とも英語でコミュニケーションをとりなさい。」「あなたたちはここに日本語を勉強しにきた訳ではないはず」と強い口調で注意されたのを今でも覚えています。この日からクラス全員の意識が変わり、おっしゃったこと全てを全員が実行できるように努力しました。それからクラスのメンバーとの絆も深まり、またグループワークでは毎日違う人とグループになれるよう席を交代していました。そして、積極的に話しかけていったことで、クラス内外問わず本当に最高の仲間たちに出会うことができました。

《現地での生活》

 大学の寮に滞在し、寮は大学まで徒歩15分ほどのところに位置していました。スーパーに行くためには20分ほど歩いていかなければならず、何度か現地で出会ったと友達と一緒に行きました。
 寮の中は各部屋にトイレ・バスがついており、5〜6人でキッチンを共有します。このキッチンは共有のため、できるだけキレイに使用することを心がけなければなりませんが、キッチンほど異文化交流できる最適な場所は他にないと思います。食にはその文化・風習がすごく反映されており、私にとってはとても興味深いものでした。各国の留学生が集まってキッチンで行ったパーティーも印象深い思い出です。土日は皆そろって遠出する人がほとんどで、私も休みの日には観光のためロンドンに足をのばしました。この実習で知り合った友人と、地図を見ながら協力して観光地にたどり着いたときの嬉しさは忘れられません。日本語が全く通じない環境で、自分を試す良い機会になったことと、自らが話す英語のレベルを知る意味でとても良かったです。
 このプログラムの参加者は、英語を母国語としない各国の学生や社会人で、参加者なかには母国で学校の先生や弁護士をしてらっしゃる方などたくさんの経歴をお持ちの方々がいらっしゃいました。普段、そのような方々にあまりお会いする機会やコミュニケーションをとることが少ないので、社会のことから文化に関することまで様々な題材で話ができたことは、グローバルな視点・発想を身に付けることができたと思っています。

帰国してから

 帰国してからTOEICを受験したところ、かなり点数が上がりました。これは、現地でリスニング力がついたのだと思います。ただ、語学は少しでも離れると劣化しやすいものなので、テレビを副音声に設定して、英語放送されているニュースを積極的に見るようにしたり、英字新聞を読むようにしたりと語学実習参加前以上に英語に触れるようにしています。そして、現地では帰国後も英語を継続的に勉強できるようにと、英語圏以外に住んでいてもできる勉強方法をたくさん教えていただいたので、その方法を参考に勉強を続けています。

語学実習に参加して得たもの

 一番には積極性が挙げられます。私の性格を一言で現すと「恥ずかしがり」がぴったりだと思います。しかし、いつまでもこの性格でいたくないという思いもあり、「積極性を身につける」ことを目標に今回の語学実習に参加しました。実際、自ら声をかけていくことは多くの出会いがあり、この積極性が語学実習を充実させるか否かの分岐点であったと思います。
 そして何より海外に友人ができたことも大きかったです。狭い視野、人間関係にとらわれることなく人生を歩んでいけることを自信に、今後活かしていくことができれば最高だと思っています。
 もちろん、ここで得た英語に対する自信も忘れてはならないものです。

今後について

 私は今、就職活動をしていますが、ここで身に付けた積極性だけは実践できています。受身になって物事を進めるよりも、自ら進むことによって得るものは多いです。そして、今まで頑張ってきた英語を、ここで絶やすことがないように海外で働くことや英語が使える職場を視野に就職活動を行っています。

これから短期語学実習に参加される方・興味のある方へ

 不安になることもあるかもしれませんが、自分の意志で状況は変わると思います。英語を本気で学びたいと思うのなら、現地では日本語を話さないと覚悟し、日々の日記も英語で書いてみると良いと思います。周りの状況はあなた次第で変わってくるということです。そして、あなた次第でたった3週間が大学生活においての良い思い出の一つになります。この体験記を読んでくださった皆さんも、失敗を恐れずにチャレンジすることの大切さを実感し、目標を持って参加してきてください。

最後に

 このような充実した日々が過ごせたのも、この機会を与えてくださった国際交流センターの職員の皆様、現地でお世話になったオックスフォード・ブルックス大学の皆様のご支援があったからだと思います。心より感謝申し上げますとともに、一人でも多くの学生の皆さんに参加していただけるよう、微力ながらお力となることができれば幸いです。

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