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私費留学生体験談 桂 楊(ケイヨウ)さん
法学部 法律学科 出身国:中国
桂 楊(ケイヨウ)さん
学部・学科:法学部 法律学科
氏名:桂 楊(ケイヨウ)さん
出身国:中国
日本への留学と京都産業大学での大学生活
中学校の時、日本の「スラムダンク」というアニメが中国でとても流行っていました。私は、そのアニメの主題歌がとても好きでした。しかし、当時は日本語ができなかったので、毎日テレビの前で、必死に主題歌を聞いて、中国語の発音に書き下ろして歌いました。その時、この歌の歌詞を持っていることで(実は中国語の発音で書いただけ)、クラスメートに羨ましがられました。しかし、自分では、中国語の発音で書き取ったその歌詞がどんな意味か、全く分からなかったので、日本語を勉強したいと思うようになりました。 2005年に私は福岡の日本語学校で2年間、日本語を勉強して、2007年に京都産業大学に入学しました。今は法学部法律学科の3回生です。これまでのところ、京都産業大学は、とても充実した3年間の大学生活を私に提供してくれています。
昨年、京都産業大学の益川教授がノーベル賞を受賞されました。この出来事がきっかけで、私は、自分が在籍する京都産業大学をこれまで以上に誇らしく思うようになりました。この大学を選んで、よかったなぁと思っています。
実は、最初、大学を選ぶ時、京都産業大学がどのような大学か知りませんでした。京都は日本の古都で、「最も日本らしい街」だと聞いていたので、是非、京都で勉強をしたいとずっと思ってはいましたが、京都の大学だったら、どの大学でも良いと思っていました。そんなとき、インターネットで京都の大学のHPを調べていると、京都産業大学では、留学生に対して、「学費減免」や「学内奨学金」などの制度を設けているだけでなく、留学生のサポートをしてくれるオフィスが設置されていることを知りました。このような経緯で、京都産業大学が留学生のことをとても重視している大学だとわかり、受験しようと決めました。
2007年、私は入学試験の面接のため、京都産業大学を訪れました。そのとき、大学が山の上にあり、また、大学の正門がないこと、そして、代わりに長い長いエレベーターがあることにとても驚きました。山の中に、こんな先進的なエレベーターがあるのは、大学の教学環境と設備がとても優れているからに違いないと感じました。毎日の大学生活でも、このエレベーターを上がりきったら、目の前にぱっと京都の風景が広がり、日ごろのストレス解消ができます。入学試験の日も、目に映った風景が美しかったおかげで、面接も順調に進んだのかもしれません。
サギタリウス・チャレンジ
「日本語スピーチコンテスト」
に出場したときの様子
「京都府名誉友好大使」任命式
入学する前に、留学生として、さまざまなことを心配していました。でも、入学してから、日本人と同じ授業を受けて、同じクラブに入って、入学する前に抱いていた不安(例えば、日本人からの軽蔑や差別)が全く必要ないものだったと思いました。大学の先生たちは留学生に優しくて、いつも「わかりますか?」と私たちに聞いてくださります。大学側も留学生のために、日本語の授業をしたり、チューターを付けてくれたり、留学生のスピーチコンテストや、留学生の懇親会までも開催してくれました。大学は、ただ勉強するためだけの場所だと思っていたのに、こんなにも多くのイベントや活動があるということを知りました。
三年生の時、私は大学の国際交流センターからのお知らせを見て、「京都府名誉友好大使」に応募し、国際交流センターのスタッフの皆さんの指導のおかげで、「京都府名誉友好大使」に選ばれました。今は、京都府国際課から、紹介された活動や、自発的な国際交流活動などをしています。例えば、京都府内の小学校や中学校にゲストスピーカーとして招待され、地域の子供たちと国際交流をしたり、京都府民と友好活動を行っています。こういった活動は、大学生活では、なかなか勉強できないことで、自分自身も成長できるチャンスだと 思います。
もともと、京都に住みたいという想いによって、京都産業大学を選んだわけですが、今は、その逆で、京都産業大学が私と「京都」の結びつき・絆を強めてくれている気がします。私は、京都と京都産業大学に本当に縁があったのだとつくづく感じています。
さて、京都産業大学を通じて、私がめぐり合えた活動は「京都府名誉友好大使」だけではありません。三年生の夏休みに、私は日本の会社で「日本の社会人の生活」を体験することができました。京都産業大学の留学生対象の就職サポートのおかげもあって、ローム株式会社で2週間のインターンシップをすることができました。テレビや雑誌などを通じて、日本の会社は「ルールが厳しい」、「社員の表情は暗い、笑わない」、「自分の仕事ばかりに集中している」等のマイナスなイメージを抱いていたので、私は不安な気持ちのまま、インターンシップに参加しました。
しかし、実際は、私が想像していた「日本の会社像」とは、全く違っていました。
ロームでのインターンシップでは、社員と同じような制服を着て、同じ名札を持って、同じ机をもらい、同じ会議にまでも出席させてもらいました。
地域の小学校で異文化理解活動
(京都府名誉友好大使の活動)
地域の小学生が名誉友好大使の
桂楊さんに宛てた手紙
インターンシップを通じて出会ったロームの皆さんは、「外国人が面倒くさい」という雰囲気もなく、外国人だからと言って、差別されている感じも全くありませんでした。それどころか、ロームの社員の皆さんはみんな優しくて、いつも仕事のことを教えてくれたり、手伝ってくれたりしました。この経験は、それまで抱いていた私の中のイメージと全く違うもので、外国人として、とても感動しました。 ロームでの2週間のインターシップで、私は「日本で仕事をする」という貴重な体験をすることができました。職場でのマナーや、人間関係についての勉強もできました。しかし、何よりも、職場で様々な日本人社員の人たちを見て、日本人の仕事に対する真摯な態度に心を打たれました。
例えば、「絶対に遅刻をしない」など、まじめで、責任感を持った態度でいたら、たぶん、どの国に行っても生きていけると思います。大学からもらったこの2週間のインターンシップは、学生から社会人になるための、「最初の授業」だったように思います。
もうすぐ四年生になるので、毎日、スーツを着て、バタバタと就職活動を始めています。これからは、大学で勉強したことを、社会で存分に活用していきたいと思っています。
就職活動が忙しくても、辛くても、京都産業大学のエレベーターを上って、だんだんと風景が見え始めた時、新しいパワーが漲ってくるような感じがします。これは、大学の魅力だと思います。今は考えてみると、京都産業大学に他の大学のような正門がないのは、知識を身につけるため、勉強をしに来る学生たちを、門戸を大きく開き、いつでも歓迎しているということを意味しているのかもしれません。こんなに学生のことを大切にしてくれる大学に入って良かったなと思います。今は、京都産業大学で、他の大学だったら、できなかったかもしれないたくさんの経験ができていて、自分が京都産業大学を選んだのは、間違いない決定だったと思います。これからも、卒業するまでの間、京都産業大学で、楽しい毎日を送り、成長し続けたいと思います。