「最遠方の超新星残骸を発見」研究グループに神山天文台近藤特定研究員が参加

 東京大学、京都産業大学、国立天文台、東京理科大学の研究者からなるグループは、ハワイのすばる8.2m望遠鏡と高感度な近赤外線高分散分光装置IRCSを用いて、119億光年に存在する重力レンズクエーサーの像A,Bの赤外スペクトルを分離して取得することに世界で初めて成功しました。

 この研究グループに参加した京都産業大学神山天文台 近藤荘平 特定研究員は、クェーサーを光源とした場合に観測される吸収線の専門家であり、上記の研究成果においても、データ解析と解釈の面で貢献しています。

神山天文台 近藤研究員からのコメント

近藤荘平特定研究員

▲高感度な近赤外高分散分光器を開発中の
神山天文台 近藤荘平特定研究員

 この研究により、遠方に存在する約120億年前のガス雲を一般的な「光」の観測ではなくその背景に存在する「クェーサー」を光源としたときに、そのガス雲に存在する金属ガ スによる「吸収線」(影)で観測した結果、それは星が一生の最後に大爆発した超新星の残骸であると分かりました。

 しかも重力レンズという天然の望遠鏡によりガス雲を400倍に拡大し、遠方にあるにも関わらず我々の銀河系と同じ空間スケールのガス雲を観測できた点が非常にユニークです。

 この研究には、すばる望遠鏡と、それに搭載された近赤外高分散分光器という特殊な観測装置が用いられています。現在、神山天文台では、すばる望遠鏡に搭載された装置よりも高感度な近赤外高分散分光器を開発中です。これが完成した暁には、海外の大望遠鏡を用いて、同様な観測的研究を更に進めたいと考えています。

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