京都産業大学 大学院 法務研究科の学生募集停止の決定に寄せて

 京都産業大学は、京都産業大学大学院法務研究科(以下、「本学法科大学院」という。)について、平成28年度以降の学生募集を停止することを決定しました。

 これまで、本学法科大学院の教育と運営について、多くの皆様から多大なご理解とご支援、ご協力をいただきました。この機会に、改めて感謝申し上げるとともに、こうした事態に至ったことを心よりお詫びいたします。

 もっとも、募集停止とは言え、平成27年度の入学予定者あるいは本学法科大学院に在学する学生に対しては、これまでの教育体制を維持して、法曹となるに必要な教育を責任もって継続します。また、修了生に対しても、新たに開設を予定している「法教育総合センター(仮称)」を通して、今までと変わらない学びに対する支援を続けます。これまで通りの支援を継続することについては、法人及び大学としての理解を得ています。どうか、安心して、目標に向けた勉学を継続して下さい。

 法科大学院は、わが国の「司法改革」を体現する教育機関として、大学に設置されました。
 本学法科大学院も、平成16年4月の設立以来、着実に法曹を育ててきました。その中には、司法過疎地や法テラスで地域の法律問題に向き合う「司法改革」の理念を体現する者が多数います。また、残念ながら司法試験の合格には至らなかった者にあっても、隣接士業や企業の法務部、行政機関などで、本学法科大学院での学びを基盤として社会に貢献する人材を送り出してきました。

 法科大学院をめぐる社会的な状況は、大変厳しいものがあります。
 法曹志望者が激減しているという事実は、「司法改革」の理念を支えるはずの多様な人材を法科大学院で育成することを困難にしています。本学法科大学院も、定員を削減し、少人数教育を充実させ、カリキュラムの継続的な見直しをするなどの教育改革を行ってきました。しかしながら、法科大学院をめぐる社会的な状況を鑑みると、教育改革の成果を待つまでの時間的猶予は残されていませんでした。

 本学法科大学院は、「社会に貢献できる品格ある法曹」の育成を目標としてきました。
 私たちは、本学法科大学院が存続する限り、これからも法曹の育成や有為な人材を社会に送り出すための充実した教育の実現に努力をします。
 今後とも変わらないご支援をどうか、よろしくお願いいたします。

平成27年3月2日
京都産業大学 大学院法務研究科
研究科長 坂東 俊矢

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