2022年度秋学期 人権教育啓発講演会 金子 雅臣氏(職場のハラスメント研究所 所長)がオンラインで講演

2022.12.26

京都産業大学では、人権教育の取り組みや人権啓発を目的に、人権問題に関わる様々な事柄について、知り考える機会として、「人権教育啓発講演会」を年2回開催しています。

12月7日(水)は、職場のハラスメント研究所 所長の金子 雅臣氏を講師にお招きし、「キャンパスハラスメント最新事情~こんな時、どうする?事例で学ぶ対応策~」と題して、オンラインで講演いただきました。金子先生には2018年に本学で講演いただき、その際、参加者から寄せられたアンケートに、もう一度お話をお聞きしたいと、多くの希望がありましたことを受けて、再度、講師をお願いしご登壇いただきました。

講演会では、パワーハラスメントの防止が義務化されたことで、大学のハラスメント事情や大学の取り巻く環境が大きく変わってきていると最初に述べられました。これまで大学が対処した事案、裁判となった事案などの事例紹介を交えながら、現場で起こっているハラスメントについてどう対応するかについてお話しされました。
人格を否定する発言を繰り返した、高圧的、差別的、侮辱的な言動、過大な要求を繰り返したなどの行為は、パワーハラスメント(アカデミックハラスメント)にあたると認定されたケースについて、個人の資質・能力や人格を否定する不適切な発言については、パワーハラスメントの判断基準の一つとして注目されるが、発言者との関係や背景事情などにもよるので、その判断は難しいところがあると述べられました。
大学は学生に対して、良好な環境で研究し教育を受けることが可能になるようその環境を整える義務を負っているため、学生の教育環境が侵害されることのないように配慮しなければならない。また、セクシュアルハラスメントのジャッジについては、時代によって解釈が変わってきていることや、パワーハラスメント・アカデミックハラスメントの判断のポイントや解決手法についても詳しく解説いただきました。
パワーハラスメントは、コミュニケーションギャップにより発生することがほとんどであり、深刻な問題になる前に解決することが大事であると話されたことが印象的でした。
金子氏から多くの事例紹介を交えて解説いただき、キャンパスハラスメントの発生する理由、それが起きる背景など、理解を深めるよい機会となりました。

PAGE TOP