物理科学科セミナー開催のご案内
下記のように物理科学科セミナーを開催します。奮ってご参集下さりますようご案内申し上げます。
日時 | 2007年3月13日(火)13時15分〜 |
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場所 | 京都産業大学理学部会議室(2号館3階) |
講演者 | 小川 英夫(大阪府立大学大学院理学系研究科) |
題目 | 宇宙の極限を探る2つの巨大電波干渉計「ALMA」「VSOP-2」 |
講演概要
宇宙からの電波(太陽からのもの以外)は1932 年に初めて観測され、1950 年代より急速に進展した。電波は、光に比べて波長が長く、解像度の点からみると一般的には観測では不利といえる。が、しかし波としての性質を利用すると、その解像度を小から大まで作ることができる便利さを持っている。特に多くのアンテナからなる干渉計に用いると、光では到達できない解像度を得ることができる。ここでは我々が現在開発している、解像度は悪いが天文学的には立派に通用する、小口径望遠鏡について述べる。さらに小口径望遠鏡とは対極として存在する、高解像度を目指す電波干渉計 ALMA 、VSOP について述べる。この2つのプロジェクトに大阪府立大学は参加しており、その部分についてもふれる。
ALMA:
ALMA(Atacama Large Millimeter/submillimeter Array)は日本・台湾・北アメリカ・ヨーロッパの3極の国際協力により実現される巨大な電波干渉計である。直径12m の64 台の干渉計および4 台の12m 鏡と12 台の7m 鏡からなるACA(Atacama Compact Array)干渉計よりなる。これらのアンテナをアンデスの観測最適地(高度4800m)に設置することにより口径14km 相当の巨大な電波干渉計を形成する。これにより0.01 秒角(パッブル宇宙望遠鏡の10 倍)の分解能と口径100m の電波望遠鏡に相当する集合力の実現を目指している。周波数帯30G〜910GHz までを10 に分けて日本はBand4(150GHz 帯)Band8(500GHz 帯)Band10(900GHz 帯)の受信機、及びACA 干渉計などを担当することになっている。
VAOP-2:
VSOP-2(VLBI Space Observatory Programme-2)は人工衛星に搭載された電波望遠鏡と地上の電波望遠鏡群がなる電波干渉計システムである。観測 周波数は8, 22, 43GHz 帯である。これによって3 万km の電波干渉計を形成でき、解像度は43GHz で38 マイクロ秒という人類が達したことがない値であり、この高分解能性を生かして、活動銀河核(銀河の中心にある活動的部分)に存在するブラックホール周辺の隆着円盤の構造や、そこからふきだすジェット等の詳しい描写が観測できると期待される。

ALMA 計画 直径12m の干渉計64 台とACA
(提供:国立天文台)

VSOP-2 の前身であるVSOP のパラボラアンテナと
地上のアンテナ群(イメージ図) (提供:JAXA)
物理学科 談話会委員