ユヴァスキュラ便り6(服部 拓磨:国際関係学科4年)

外国語学部国際関係学科4年 服部 拓磨

アイスホッケーの試合

 気が付くと月日は流れ、4月になってしまいました。長い冬が終わり、フィンランドにも待ちに待った春がやってこようとしています。サマータイムも始まり、日本との時差も1時間縮まり、少し暖かくなったせいか人々の動きが少し活発になったように思えます。そんなフィンランドでの留学生活もあと1ヶ月ほどで終わりを迎えようと思います。フィンランドを離れるのは少し心寂しいです。ここ2ヶ月間は授業が詰まっていて、なかなか留学報告を書く時間をとることができませんでした。やはり、留学生活を振り返ることは大切なことだと思いました。そこから、その月にできなかったことや、継続していくべきことがわかること。限られた時間の中で効率よく自分を成長させるにはやはり、振り返りの作業は大切だと思います。

 さて、フィンランドはだんだん夏に近づいていき、それと同時に気温も少しずつ上がり、天候も快晴な日が増えてきました。12月や1月のときは、日照時間は短く、大量の雪で通学も命がけでした。今年の冬は暖冬で、本来ならまだ雪が残っているのですが、今では完全に雪や湖の氷は解け、木々や花は春の準備を始めています。日没する時間も9時過ぎになり、たくさんの人が湖畔で人々がランニングしているのを見ると「フィンランドにもようやく春が来たな」と思います。

 就活が始まり、4か月近くたち、そろそろ就活での結果が目に見えてくる頃ではないでしょうか?同回生は就職活動をもうすでに始めていて、就活に対して少し不安になりますが、今の生活を思いっきり楽しみ、のころ少ないフィンランド生活でも自分のできる範囲少しずつ就職活動を始めていこうと思っています。

international day でのRomaの人々との
集合写真

 先日、ROMAのinternational day に行ってきました。 フィンランドでは、毎年4月7、8日はRomaのinterntionaal day となっています。ロマとはフィンランドに住む少数民族です。ロマの女性は独特の伝統的な服装を毎日来ています。多くのフィンランド人はロマの人々に対していい感情を持っていません。 ロマの人々は子供を誘拐したり、いつも悪さばかりしているという悪い噂が小さいころから聞かされ、人々の心のどこかにロマの人々に対する差別意識が残っていることを聞きました。言語や生活スタイルはフィンランド人と同じなのに、多くのフィンランド人はロマの人々のことを、視覚的情報だけで判断しています。会場には多くのロマの人々がいて、彼らの音楽や、今年の決意などフィンランドで聞きました。しかし、残念なことに、テレビ中継は来ていましたが、一般のフィンランド人の姿は見当たりませんでした。その日がロマのinternational day と知らないフィンランド人も多く、まだまだ課題が多く残っているように感じました。 偏見は、知らないところで拡大してより深くなります。中には間違った情報が出回り、それが真実となり人々との間にはより大きな壁ができます。お互いが、敬遠しあいながら溝は埋まるどころか深まるばかり。本当に大切なのは、お互いに興味を持ち話し合うこと。そこで彼らに対する考えは誰かを通しての情報で作られたものではなく、自分の考えになります。新しく知ることや、気づくことは多くあり、そこから新たな関係を探ることは可能だと思います。

 授業では、ROMAの方をゲストで呼び、様々な疑問を問いました。生徒からは多くの質問が出て、みんな謎に包まれた彼らの存在を少しでも知りたいのだと感じました。どんな生活をしているのや、どこでその服を買っているのなど。そして彼らと話すことで様々なことを知りました。例えば、彼女たちのスカートは洗うことはせず、汚れたら新しく作る。ことや、女性での上下関係は厳しく、寝る場所や、住む場所なども考慮しなくてはいけないこと。ゲストたちの生の声を聴いて、私たちの中で新しい考えができて、それは、より私の好奇心をくすぐる原動力となりました。メディアや人のうわさなどの情報源を信じ、「知っているつもり」の考えが多い私でしたが、本当に大切なのは、自分の目で見て、聞いて感じること。そして自分の考えを持つことだと改めて感じました。 すべてはもっと知りたい、理解したいという好奇心から始まると思います。

話は長くなりましたが。

 日本では桜は満開になっているとニュースで見ました。何気なく生活していた日本の文化が、フィンランドに来て身近に体験ができないことは少し寂しいです。これもカルチュアーショックでしょうか? 限り少ないフィンランドでの大学生活も全力で頑張っていきます。

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