新ユヴァスキュラ便り1(河内直也:国際関係学科2年)

外国語学部国際関係学科2年 河内直也

プレゼンのパートナー、ニコラス(ドイツ人)と

プレゼンのパートナー、ニコラス(ドイツ人)と

 Hyvää uutta vuotta(明けましておめでとうございます)!! フィンランドでの生活も6カ月目に入りました。これまでの5カ月を振り返ると今まで経験したことのない変化の連続だな、と思います。季節は暖かい夏から湖も凍りつく冬へ。日照時間も短くなり、最近では太陽の姿を直接見ることも難しいです。また前学期を通じて素晴らしい時間を共に過ごした留学生たちの多くは帰国してしまい、以前の様に簡単には会えなくなってしまいました。

 来る前のことを思い出すと、留学が決まった時は私の英語も上達したと思っていましたが、こちらで出会った世界の学生たちと比べると、私の英語力など未熟もいいところだと痛感しました。そして授業を通じて、英語はただの会話手段であって勉強の全てではないということを切に感じました。例えば私は前学期に国際関係学のディスカッション授業を履修したのですが、そこで求められたのはどれだけ英語を上手に話せるかではなく、どれだけ国際関係学の専門知識を知っているか、でした。

 また、生徒の学習意欲の高さにも頭が下がるばかりです。先述のディスカッション授業ではペアを組んでプレゼンテーションを行ったのですが、私のペアのドイツ人は専門が心理学であるにも関わらず、国際関係学に関して自分よりも遥かに知識がありました。普段の彼はお祭り騒ぎが大好きなのですが、授業になった途端に態度が豹変します。彼に限らず他の留学生もそうしたOnとOffの切り替えが非常にハッキリしていて、そういう面でも良い刺激を受けています。

 そういう人たちに囲まれての生活の中で、私の将来に関しても少し考えが変わってきました。文系・理系に関わらず多くの人が大学院に進んで勉強を続けたり、希望の職業に着く前にインターンシップ等で実践的な経験を積んだり、それまで日本で考えていた自分の進路よりも幅広い考え方に触れる機会が 多くあります。それが必ずしも日本で上手く働くかどうかは分かりませんが、いくつかの選択肢として考える価値は大いにあると思います。

 私は今学期もフィンランド語の履修を継続する予定です。ユヴァスキュラ大学には、フィンランドの学生で結成される『日本語ミーティング』という、サークルのようなものがあります。そこで友人になったフィンランド人たちは、日本に興味を持ち日本語を勉強していて、また何人かは日本での留学も経験しています。私にとってこのサークルは、彼らを通じて私自身があまり実感できない日本の魅力などを知り、国籍というアイデンティティを改めて知る良い機会になっています。そうやって日本に興味を持ってくれているのだから自分からも彼らにもっと近づきたい、というのがフィンランド語を続けるモチベーションになっています。(すごく難しいですが)

 また、学期中の授業の合間や12月上旬からの1ヵ月程の冬休みを利用して、北欧諸国やバルト3国・ロシア・ポーランド・ベネルクスの国々・スイスといった国々を訪れました。バルトの国々やロシアでは 英語が通じず食事をするのにも苦労したり、ノルウェーやスウェーデン、スイスでは物価の高さに驚いたりと、陸続きの国々でも国境を越えるだけでこうも違うのか、と大変楽しい経験が出来ました。また旅行中に出会った人々から彼らの国の話を聞けたり、日本の話をすると興味深く聞いてくれたりと、英語を話せるだけで世界をこんなにも近くに感じられるのか、と英語の重要性を改めて知りました。

 今学期では、前学期にあまり履修出来なかった自分の専門である国際関係学の授業を履修し、より  専門的な知識を深めること、そして前述したようにフィンランド語の学習に力を入れ、更にこちらで最も使う言語である英語の研鑚を怠ることなく、残りの留学生活をより素晴らしいものにしていきたいと考えています。ユヴァスキュラ便りもできるだけ書いていきたいと思います。蔵中さんや私の便りを読んで、フィンランドや留学に関心を持って頂ければ大変嬉しいです。

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