2008年度・夏期休暇課題図書等リスト

マコーマック・ノア

推薦図書

村井吉敬『エビと日本人2』岩波新書

先進国の食習慣が途上国でどのような問題をひきおこしているのかを考える。

伊豫谷 登士翁『グローバリゼーションとは何か』平凡社新書

現代世界における移動と越境を考える。

本橋哲也『ポストコロニアリズム』岩波新書

差別と不平等の系譜を描く。

リチャード・セネット『不安な経済・漂流する個人』大月書店

資本主義の市場原理が生活世界の隅々まで浸透している今日、どう生きるべきか?

姜尚中『暮らしから考える政治』岩波ブックレット

政治と日常生活の直接的なつながりを探る。

映画

映画を観て評を執筆することは、単に映画のストーリーを要約することを意味しない! 映画とは娯楽であると同時に消費者に売り込まれる商品であり、また政治的メッセージを普及させる媒体でもある。皆様に考えていただきたい問題は次のようなものである:なぜ国際関係の学生にその作品をすすめたのか? その作品には政治や経済やグローバル化や暴力や差別や戦争や平和や帝国主義に関してどのようなメッセージが込められているのか? そのメッセージは誰によって誰に向かって発信されているのか? 誰の声や語りが聞こえてこないのか? 誰の視点が優先されているのか? どのような世界観もしくは宇宙観が表象されているのか?

バベル

グローバル化をどう描いているのか? 勝ち組・負け組と世界経済のつながり?

ランボー II

人種の表象は? 外交政策としての暴力の美化? 米国の視点ではない視点から見てみた場合どういう作品?

ランボーIII

9.11以前、アフガンを舞台にした冷戦もの。ランボーはソ連軍を襲う―「自由軍」すなわち今日米国などで俗に言う「テロリスト」と組んで!!?? 何で? どういうこと?

ランボーIV

まだ見ていないがしかしビルマの軍政と戦いにランボーは数十年ぶりにアジアに戻ってきて再び大量殺戮を犯す。

ホテル・ルワンダ

アフリカのルワンダで1990年代に起きた内戦を扱うドラマ。

ドクター・ストレンジラブ

冷戦時代の核戦争をテーマにしたクラシック! 狂った軍の司令官、さえない政治家…実に現実的だったりして…

アラビアのロレンス

20世紀前半の中近東―英帝国による脱植民地化とその後の紛争を予告する物語。長編! 元の本も!

ブラッド・ダイアモンド

貧困と暴力とダイヤモンドの関係

ナイロビの蜂

貧困国の人々を実験台に使う大手薬品会社の悪行を訴える作品。映画がよくないというわけではないが、ル・カレの本の方がいい。

アンダーグラウンド

歌と音楽とダンスで1940年代から分裂する1990年代までのユーゴスラビアの物語。大戦後は冷戦、冷戦終焉後は民族紛争…

サーティーン・デイズ

キューバ・ミサイル危機と米国政策決定過程をドラマ化した作品。

ブレードランナー

監視社会、アンドロイド、過剰人口、遺伝子組み換え実験等をテーマとしたSFのクラシック。現代・近未来型社会を考えるには? ジョック・ヤングの『排除型社会』も参照。

ファーレンハイト9・11

米の対テロ戦争の政治的背景を批判的に扱うマイケル・ムアのドキュメンタリー作品。ノーム・チョムスキーの本とセットにも?

スワロウテイル

グローバルな移動の時代における別の日本。資本主義と移民と格差社会を考えるには?

アルジェの戦い

フランスからの独立を目指すアルジェリアにおける脱植民地化闘争の暴力を描く。非暴力の位置づけは? 興味ある人はフランツ・ファノンの本も。

独裁者

チャップリンのナチスドイツのパロディ。笑いはあるがしかし、もしかしてあまり心地よくない笑い?

アニマル・ファーム

解放→自由→独裁の過程を描く、一応共産主義批判のはずだが、別の見方もあるでしょう。元の小説はオーウェルの古典。

スターウォーズI、II

現代世界の比喩として読むことができるのだろうか? 誰が悪の帝国なのか? 誰が自由軍なのか? どうやって誰が決めるのだろう?

スパルタカス (1960年版はキューブリックの名作)

ローマ帝国下の奴隷解放闘争とその弾圧。スターウォーズを現実的にしたもの?

チーム★アメリカ ワールドポリス

対テロ戦争時代のコメディー。

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